(仮訳)西オーストラリア州産の2新種、Amanita lesueuriiおよびA. wadjukiorumA. fibrillopesのより詳細な記載
Davison, EM. et al., 2013. Amanita lesueurii and A. wadjukiorum (Basidiomycota), two new species from Western Australia, and an expanded description of A. fibrillopes. Nuytsia. … Available at: https://florabase.dpaw.wa.gov.au/science/nuytsia/686.pdf [Accessed June 13, 2015].
【R3-01916】2015/06/13投稿

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3行まとめ

西オーストラリア州で採集されたテングタケ属の3種を検討し、うち2種をAmanita lesueuriiおよびA. wadjukiorumとして新種記載した。
前者は傘、襞、柄、外被膜、および内被膜が白色で、倒円錐形~洋独楽形の塊茎を有し、後者は傘および被膜が褐色系で、基部が蕪形~紡錘形であることなどで特徴づけられた。
また、残りのA. fibrillopesについて詳細な記載文を掲載した。
Lesueur National Park, Shire of Dandaragan, Western Australia

(新種)

Amanita lesueurii E.M.Davison
語源…ボタニカルアーティスト、自然史画家のCharles-Alexandre Lesueurに献名
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【よく似た種との区別】
Amanita strobiliformis(マツカサモドキ)
同じStrobiliformis族に含まれる
本種と異なりオーストラリアではなくヨーロッパに分布する
本種より担子胞子の幅が広い
Amanita centunculus
同じStrobiliformis族に含まれる
担子胞子の幅が類似している
本種と異なりオーストラリアではなく東南アジアに分布する
Amanita cinereopannosa
同じStrobiliformis族に含まれる
本種と異なりオーストラリアではなく北米東部に分布する
本種より子実体のサイズがずっと大きい
本種と傘の色が異なる
本種と外被膜の色が異なる
Amanita clelandii
オーストラリアに分布する
担子胞子がアミロイド(非アミロイドとする報告もあるが誤りと考えられる)
本種と異なり西オーストラリア州ではなく南オーストラリア州に分布する
本種より子実体の丈が高い
本種と異なり外被膜が”aerolate”な疣状またはパッチ状ではなく傘の縁部にフェルト状のパッチとして付着する
本種より担子器が短い
本種と異なり外被膜の菌糸が主に膨大した細胞からなるという特徴を欠く
Amanita wadjukiorum
西オーストラリア州に分布する
傘表面の外被膜の色が初め類似している
傘表面の外被膜の形状が類似している
柄が初め白色
担子器のサイズが類似している
外被膜の構造が類似している
ITS領域の塩基配列が類似している
本種より子実体のサイズが大きい
本種と異なり傘が老成すると帯紫黄褐色ではなく黄褐色~褐色になる
本種と異なり傘表面の被膜が老成すると灰色~帯紫黄褐色ではなく黄褐色~褐色となる
本種と異なり襞が白色ではなくクリーム色
本種より柄が長い
本種と異なり柄が老成すると煙灰色~帯紫黄褐色になる
本種と異なり柄の基部が倒円錐形または先細りになるのではなく蕪形~洋独楽形でのちに紡錘形
本種と異なり肉が白色で傷つくと淡い紫黄褐色を帯びるのではなく白色~クリーム色でのちに柄の基部が帯紫黄褐色、煙灰色、鼠色となる
本種と異なり担子胞子が長形~円筒形ではなく楕円形~長形
本種より外被膜の菌糸に膨大した細胞を多く含む
ITS領域の塩基配列が異なる(類似度82%)
Western Australia

(新種)

Amanita wadjukiorum E.M.Davison
語源…Wadjuk(先住民族、ヌンガー族の一派)の
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【よく似た種との区別】
Amanita lesueurii
西オーストラリア州に分布する
傘表面の外被膜の色が初め類似している
傘表面の外被膜の形状が類似している
柄が初め白色
担子器のサイズが類似している
外被膜の構造が類似している
ITS領域の塩基配列が類似している
本種より子実体のサイズが小さい
本種と異なり傘が老成すると黄褐色~褐色ではなく帯紫黄褐色になる
本種と異なり傘表面の被膜が老成すると黄褐色~褐色ではなく灰色~帯紫黄褐色となる
本種と異なり襞がクリーム色ではなく白色
本種より柄が短い
本種と異なり柄が老成すると煙灰色~帯紫黄褐色になるという特徴を欠く
本種と異なり柄の基部が蕪形~洋独楽形でのちに紡錘形になるのではなく倒円錐形または先細りになる
本種と異なり肉が白色~クリーム色でのちに柄の基部が帯紫黄褐色、煙灰色、鼠色となるのではなく白色で傷つくと淡い紫黄褐色を帯びる
本種と異なり担子胞子が楕円形~長形ではなく長形~円筒形
本種ほど外被膜の菌糸に膨大した細胞を多く含まない
ITS領域の塩基配列が異なる(類似度82%)
Amanita walpolei
同じLepidella節に含まれる
子実体のサイズが中型
子実体が褐色系
担子胞子が楕円形
本種と異なりクランプを欠くか非常に稀なのではなく多数含む(当初は含まないとされた)

(その他掲載種)

Amanita fibrillopes O.K.Mill.
※本種はBougher (2009) に”Amanita sp. ‘persicina'”として掲載されていた種と同一である。
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【よく似た種との区別】
Amanita multisquamosa(ニオイテングタケ)
同じAmanita節に含まれる
ITS領域の塩基配列が類似している
ITS領域の塩基配列が異なる(類似度82%)