(仮訳)ロシア産の多孔菌の新種Antrodia hyalinaおよびヨーロッパ新産のA. leucaena
Spirin, V. et al., 2013. Antrodia hyalina, a new polypore from Russia, and A. leucaena, new to Europe. Mycological Progress. …. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-012-0815-0 [Accessed December 26, 2014].
【R3-01408】2014/12/27投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

ロシア、ニジニ・ノヴゴロド州で採集された多孔菌を検討し、Antrodia hyalinaとして新種記載した。
本種は子実体が一年生で薄く柔らかく、担子胞子が円筒形で骨格菌糸を有することなどで特徴づけられた。
また、A. leucaenaをロシアおよびフィンランドから初めて報告した。
Russia. Nizhny Novgorod, Lukoyanov Dist., Razino

(新種)

Antrodia hyalina Spirin, Miettinen & Kotir.
語源…無色の(管孔の色から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Antrodia pulvinascens
若い子実体が本種と類似している
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が一年生ではなく多年生
本種と異なり子実体が厚く偽傘状
本種より担子胞子が短い
本種より担子胞子の幅が広い
本種より担子胞子のQ値が小さい
本種と異なり担子胞子が円筒形ではなく楕円形
本種と異なり管孔実質が類並列型ではなく不規則に絡み合い密に配列した菌糸からなる
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Antrodia pulverulenta
形態的に類似している
子実体が大型
子実体が背着生
担子胞子が様々な度合いで細長い楕円形
本種と異なりロシアではなくフランスに分布する
本種より担子胞子の幅が顕著に広い
本種と異なり担子胞子の内容物がシアノフィリック
本種と異なり担子胞子が僅かに厚壁
本種と異なり肉の内部に厚壁胞子を形成する
本種と異なり骨格菌糸のルーメンが容易に視認可能
Antrodia wangii
担子胞子のサイズが類似している
担子胞子の形状が類似している
担子胞子が円筒形
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が柔らかいコルク質
本種と異なり肉が3菌糸型
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Antrodia minuta
同所的に発生することがある
本種と異なり子実体が背着生ではなくしばしば半背着生~傘状
本種より孔口のサイズが比較的小さい
本種より担子胞子のサイズが大きい(特に幅が顕著に広い)
Antrodia leucaena
ロシアに分布する
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より担子胞子のQ値が小さい
Antrodia serialis(ダンアミタケ)
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種より担子胞子の幅が広い
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Poria hippophaes
子実体が背着生
本種と異なり一年生ではなく多年生(おそらく)
本種より子実体が厚い
本種より管孔が長い
本種と異なり孔口が白色~クリーム色ではなく黄褐色(おそらく経時的変化)
本種と異なり孔口が多角形ではなく規則的な円形
本種と異なり顕著な子実体形成菌糸層を欠く
本種より子実体が頑丈
本種より担子胞子が僅かに幅広い
本種より骨格菌糸の幅が僅かに広い(ヒストグラムで差異あり)

(ヨーロッパ、ロシア、フィンランド新産種)

Antrodia leucaena Y.C. Dai & Niemelä
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Antrodia serialis(ダンアミタケ)
形態的に類似している
担子胞子の長さで区別できない(変異が大きい)
成熟した子実体がガの幼虫に食べられる
ITS+nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり被子植物(ヤマナラシ属)ではなく裸子植物を宿主とする
本種より子実体が脆くなく頑丈
本種と異なり傘上面がさび赤褐色を帯びるのではなく明るい黄褐色
本種と異なり孔口面が乾燥すると藁色~黄褐色に変色するのではなく乾燥しても白色のままである
本種と異なり臭いが甘い香りではなく強い刺激臭
本種より担子胞子の幅が狭い
ITS+nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITS領域の塩基配列に1.5%の差異)
Antrodia macra
ヨーロッパに分布する
ヤマナラシ属植物を宿主とする
本種の若い子実体と形態的に類似している(混同のおそれがある)
本種と異なり傘上面がさび赤褐色を帯びない
本種より孔口のサイズが大きい
本種より担子器がずっと長い
本種より担子器が深い根状
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子が楕円形・狭楕円形・類円筒形ではなく楕円形
本種より実質の骨格菌糸がやや狭い
Antrodia malicola(ニオイヒメアミタケ)
担子器が短い
担子胞子の形態が類似している
実質の骨格菌糸が比較的幅広い
本種より担子胞子が通常やや長い
本種より担子胞子のQ値が大きい
本種と異なり骨格菌糸が帯褐色
本種と異なり骨格菌糸が分枝することがある
本種と異なり骨格菌糸のルーメンが顕著ではなく欠くか毛細管状に過ぎない
Antrodia infirma
ITS+nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
ITS+nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Antrodia primaeva
ITS+nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
ITS+nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Antrodia serialiformis
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Antrodia variiformis
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される