(仮訳)北米西部内陸部産の新種Armillaria altimontana
Brazee, NJ. et al., 2012. Armillaria altimontana, a new species from the western interior of North America. Mycologia. Available at: http://www.mycologia.org/content/104/5/1200.short [Accessed April 20, 2015].
【R3-01753】2015/04/21投稿

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3行まとめ

北米西部内陸部の高標高地に分布する「NABS X (North American biological species X)」と呼ばれてきた菌をArmillaria altimontanaとして新種記載した。
本種は広葉樹および針葉樹を宿主とし、30年以上も前から認識されてきたが、稀産種であるため正式に記載されてこなかった。
北米産の全ナラタケ属菌を含めたEF1-αに基づく分子系統解析で、本新種は単系統群を形成するとともに、A. calvescensなど4種からなるクラスターに含まれた。
United States, Idaho, Bonner County, Poirier Creek

(新種)

Armillaria altimontana Brazee, B. Ortiz, Banik &.L. Lindner
語源…高山の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Armillaria gallica(ワタゲナラタケ)
北米西部に分布する
森林に生息する
担子胞子が時に大型(ただしA. gallicaの直径12 μmの胞子はヨーロッパ産標本の記録で、北米産標本からはこれほど大型の胞子の報告はない)
EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国のみではなくヨーロッパにも分布する
本種と異なり傘表面に顕著な鱗片を有するのではなく典型的には鱗片を欠くか小型の鱗片を有する
EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Armillaria calvescens
北米に分布する
EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Armillaria ostoyae(オニナラタケ)
北米に分布する
傘が帯赤褐色~褐色
傘表面の鱗片および繊維のサイズが類似している
つばの硬さが類似している
本種と異なり柄の基部が膨大する特徴を欠く
本種と異なり根状菌糸束が単軸状に分枝しない
EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Armillaria cepistipes(クロゲナラタケ)
北米西部に分布する
森林に生息する
EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘表面に顕著な鱗片を有するのではなく典型的には鱗片を欠くか小型の鱗片を有する
本種と異なりつばが二重の場合がある
EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Armillaria mellea
北米西部に分布する
森林に生息する
本種と異なり傘がさび褐色ではなく蜜色
本種と異なり傘表面に顕著な鱗片を有するのではなく平滑
EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Armillaria nabsnona(ヤチナラタケ)
北米西部に分布する
森林に生息する
EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり高標高地ではなく低標高の沿岸域にのみ分布する
本種と異なり傘表面に顕著な鱗片を有するのではなく典型的には鱗片を欠くか小型の鱗片を有する
EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Armillaria sinapina(ホテイナラタケ)
北米西部に分布する
森林に生息する
傘表面に鱗片を有することがある
柄の基部が塊茎状
根状菌糸束が単軸状に分枝する
本種と異なり傘表面に顕著な黄色の小斑点を有する
EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される