(仮訳)チリのナンキョクブナ林に産したクラバリオイド菌の新種、Artomyces nothofagi
Kneal, R. & Smith, ME. 2015. Artomyces nothofagi sp. nov., a clavarioid fungus from a Chilean Nothofagus forest. Mycotaxon. Available at: https://www.ingentaconnect.com/content/mtax/mt/2015/00000130/00000003/art00010 [Accessed October 20, 2020] 【R3-07792】2020/10/20投稿

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3行まとめ

チリのナンキョクブナ林において腐朽材に生じた菌を検討し、Artomyces nothofagiとして新種記載した。
本種は子実体が小型でほとんどの場合分枝せず、担子器が時に2胞子性、担子胞子が球形~類球形で平滑であり、グレオシスチジアが突出することなどで特徴づけられた。
本種は同属他種とは子実体の形状や担子胞子の形状および表面性状などが異なっていた。
Chile, XI Región Aysén del General Carlos Ibáñez del Campo, Melimoyu reserve, near Pacific Ocean at the base of Volcan Melimoyu, Tres Lagunas trail

(新種)

Artomyces nothofagi M.E. Sm. & Kneal
語源…ナンキョクブナ属の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Artomyces cristatus
子実体が分枝しない
担子胞子表面が平滑
担子胞子に大型の油滴を含む
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりチリではなくカナダ、北欧、および米国などに分布する
本種と異なりナンキョクブナ属ではなく針葉樹に生じる
本種と異なり担子胞子が球形~類球形ではなく円筒形
本種ほどグレオシスチジアが突出しない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Artomyces adrienneae
南米南部に分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が純白~帯肉黄褐色
本種と異なり子実体が稀にしか分枝しないのではなく通常分枝する
本種より担子胞子の幅が狭い
本種と異なり担子胞子表面が平滑ではなく粗面
本種と異なり生殖菌糸に結晶を伴わない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Artomyces austropiperatus
南米南部に分布する
担子器のサイズが類似している
担子胞子のサイズが類似している
グレオシスチジアのサイズが類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりオーストラリア、ニュージーランドにおける分布が知られている
本種と異なり子実体が稀にしか分枝しないのではなくよく分枝する
本種と異なり担子胞子表面が平滑ではなく明瞭な粗面
本種と異なり生殖菌糸に結晶を伴わない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Artomyces stephenii
広葉樹基質に生じる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりチリではなくコスタリカに分布する
本種と異なり子実体が比較的大型
本種と異なり子実体が稀にしか分枝しないのではなくしばしば盛んに分枝する
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子表面が平滑ではなく微細な粗面
本種と異なり担子胞子が顕著なアミロイドではなく弱いアミロイド
本種ほどグレオシスチジアが突出しない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Artomyces colensoi
広葉樹の材に生じる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりチリではなくオーストラリアおよびニュージーランドなどに分布する
本種と異なり子実体が稀にしか分枝しないのではなくよく分枝する
本種と異なり子実体の臭いが甘く心地よいのではなく僅かにコショウ臭がある
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種より担子胞子のQm値が大きい
本種と異なり担子胞子が球形~類球形ではなく楕円形
本種と異なり生殖菌糸に結晶を伴わないともされる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される