(仮訳)ハチを好む新種の菌、Ascosphaera callicarpaおよびヨーロッパ産Ascosphaera属菌の検索表
Wynns, A., Jensen, A. & Eilenberg, J., 2013. Ascosphaera callicarpa, a New Species of Bee-Loving Fungus, with a Key to the Genus for Europe. PloS one. Available at: http://dx.plos.org/10.1371/journal.pone.0073419.g004 [Accessed January 13, 2014].
【R3-00271】2014/01/14投稿

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3行まとめ

ハチと特異的な関係を持つ腐生菌または寄生菌である、Ascosphaera属菌の多様性および生態を研究した。
形態およびITS領域の配列類似度に基づき、デンマークで幼虫の糞から普通に見られるAscosphaera callicarpaを新種記載した。
また、Ascosphaera aggregataをドイツとスウェーデンから、Ascosphaera atraをヨーロッパから初めて報告した。
DENMARK. ZEALAND : Lejre Kommune, Sagnlandet (‘‘Land of Legends’’) Lejre, Landbohusene

(新種)

Ascosphaera callicarpa A.A. Wynns
語源…美しい果実(スポアシスト)の
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【よく似た種との区別】
Ascosphaera fimicola
同じデンマークのシェラン地域に分布する
ハチの糞に生息する
本種と異なりChelostoma florisomneではなくOsmia bicornisおよびCacoxenus indagatorと関係を持つ
本種と異なりハチに対して病原性を持つ場合がある
本種よりもスポアシストの透明度が低く、淡褐色ではなく淡褐色~暗褐色でやや虹色光沢を持つ
本種よりもスポアシストが脆くない
本種と異なりスポアシストの壁に彫刻や斑点を持つ
本種と異なり子嚢胞子が桿形~円筒形ではなく楕円状紡錘形~類ソーセージ形
本種と異なり胞子表面に小さな褐色の顆粒を伴うことがある

(ドイツ・スウェーデン新産種)

Ascosphaera aggregata Skou
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【よく似た種との区別】
Ascosphaera major
本種よりスポアシストのサイズが小さく、通常400 μmを超えない
本種と異なり宿主表皮の直下に厚い層を形成せず、気生菌糸を発達させる
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
Ascosphaera proliperda
同一の宿主個体に発生することがある
本種と子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
本種よりスポアシストのサイズが小さく、通常400 μmを超えない
本種と異なり宿主表皮の直下に厚い層を形成せず、気生菌糸を発達させる
本種より生長が遅い

(その他掲載種)

Ascosphaera apis (Maasen ex Claussen) L.S. Olive & Spiltoir
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【よく似た種との区別】
Ascosphaera major
同じミツバチ属のハチを宿主とする
宿主のハチに対して外見上似た症状を引き起こす
Ascosphaera fimicola
本種と異なり絶対寄生菌ではなく腐生菌とされる
本種と異なりスポアシストが淡緑色~帯黄褐色ではなく褐色
本種と異なりスポアシストの表面に低倍率でも斑点が見られる
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
本種と異なり子嚢胞子またはスポアボールの少なくとも一部の表面に顆粒が付着する

(ヨーロッパ新産種)

Ascosphaera atra Skou & K. Hackett
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【よく似た種との区別】
Ascosphaera tenax
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり子嚢胞子が楕円形~広楕円形ではなく類鎌形や三角形
本種と異なりハチに病原性を持たず腐生菌とされる

(その他掲載種)

Ascosphaera fimicola Skou
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【よく似た種との区別】
Ascosphaera callicarpa
同じデンマークのシェラン地域に分布する
ハチの糞に生息する
本種と異なりOsmia bicornisおよびCacoxenus indagatorではなくChelostoma florisomneと関係を持つ
本種と異なりハチに対して病原性を持たず腐生菌とされている
本種よりもスポアシストの透明度が高く、淡褐色~暗褐色ではなく淡褐色で虹色光沢を持たない
本種よりもスポアシストが脆い
本種と異なりスポアシストの壁に彫刻や斑点を持たない
本種と異なり子嚢胞子が楕円状紡錘形~類ソーセージ形ではなく桿形~円筒形
本種と異なり胞子表面に小さな褐色の顆粒を伴わず平滑
Ascosphaera apis
本種と異なり腐生菌ではなく絶対寄生菌で宿主のハチにチョーク病を引き起こす
本種と異なりスポアシストが褐色ではなく淡緑色~帯黄褐色
本種と異なりスポアシストの表面の斑点が高倍率でしか確認できない
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり子嚢胞子またはスポアボールに顆粒が付着することがない

(その他掲載種)

Ascosphaera major (Pro¨kschl & Zobl) Skou
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【よく似た種との区別】
Ascosphaera apis
同じミツバチ属のハチを宿主とする
宿主のハチに対して外見上似た症状を引き起こす
Ascosphaera proliperda
スポアシストのサイズが小さく、通常400 μmを超えない
宿主表皮に気生菌糸を発達させる
本種より子嚢胞子のサイズが小さい

(その他掲載種)

Ascosphaera proliperda Skou
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【よく似た種との区別】
Ascosphaera aggregata
同一の宿主個体に発生することがある
本種と子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
本種よりスポアシストのサイズが大きく、通常400 μmを超える
本種と異なり宿主表皮に気生菌糸を発達させず、表皮直下に厚い層を形成する
本種より生長が遅い
Ascosphaera major
スポアシストのサイズが小さく、通常400 μmを超えない
宿主表皮に気生菌糸を発達させる
本種より子嚢胞子のサイズが大きい

(その他掲載種)

Ascosphaera tenax Skou & S.N. Holm
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【よく似た種との区別】
Ascosphaera atra
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
本種と異なり子嚢胞子が類鎌形や三角形ではなく楕円形~広楕円形
本種と異なりハチに病原性を持つことがある