(仮訳)腐朽葉から分離されたコウジカビ属Circumdati節のオクラトキシンA産生性の新種Aspergillus affinis
Davolos, DD. et al., 2012. Aspergillus affinis sp. nov., a novel ochratoxin A-producing Aspergillus species (section Circumdati) isolated from decomposing leaves. International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology. …. Available at: http://ijsb.sgmjournals.org/content/62/Pt_4/1007.short [Accessed June 4, 2014].
【R3-00781】2014/06/05投稿

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3行まとめ

イタリアで川に沈んだ腐朽葉から分離された、オクラトキシン産生能を持つコウジカビ属菌を検討した。
この菌株はAspergillus cretensisに形態的に類似していたが、顕微鏡的形質や培養性状に違いが見られた。
分子系統解析でも、両者は非常に近縁であるが明瞭に区別されたことから、Aspergillus affinisとして新種記載を行った。
  • この論文の後、本新種の細胞外α-アミラーゼ遺伝子 (amyAa) や、オクラトキシンAの生合成に関係すると推定されるポリケチド合成酵素遺伝子 (otapks) について研究した論文が発表された (Davolos & Pietrangeli, 2014)。
Sacco River, the south-east of the Lazio region, Italy

(新種)

Aspergillus affinis Davolos, Persiani, Pietrangeli et Maggi
語源…類縁の(A. cretensisとの類縁性から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Aspergillus cretensis
形態的に類似している
分生子頭の形状が類似している
分生子が楕円形
CYA培地でのコロニーの表面の性状が類似する
CYA培地での分生子形成の様子が類似する
CYA培地での菌核形成の様子が類似する
CYA培地で無色~淡黄色の小滴を多数滲出する
オクラトキシンA産生能を有する
ITS領域の塩基配列が類似している(類似度99.3%、1か所のインデル)
benAcmdbenA+cmdに基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子柄が長い
本種と異なり分生子柄が通常黄色を帯びるという特徴を欠く
本種より頂嚢のサイズが小さい
本種よりメトレのサイズが小さい
本種よりフィアライドのサイズが小さい
本種より分生子のサイズが小さい
本種より菌核のサイズが大きい
本種と異なり菌核が規則的な類球形でない
本種よりCYA培地での生長が僅かに速い
MEA培地でのコロニーの彩度および濃淡が本種と異なる
本種と異なりMEA培地で滲出液が見られる
benAcmdbenA+cmdに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(benAの配列に3%までの相違、cmdの配列類似度約98%)