(仮訳)スペインの洞窟で見出されたUsti節の2新種、Aspergillus baeticusおよびAspergillus thesauricus
Novakova, A., et al.,2012. Aspergillus baeticus sp. nov. and Aspergillus thesauricus sp. nov., two species in section Usti from Spanish caves. International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology …. Available at: http://ijs.sgmjournals.org/content/62/Pt_11/2778.short [Accessed May 24, 2014].
【R3-00746】2014/05/25投稿

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3行まとめ

スペインの洞窟で採集されたコウジカビ属Usti節の2種を、Aspergillus baeticusおよびA. thesauricusとして新種記載した。
前者が洞窟内の様々な基質から12菌株が分離された一方、後者は洞窟堆積物から2菌株が分離されたほか、スロバキアの洞窟でも見出され、広い地理的分布が示唆された。
両種はいずれも37°Cで生育できず、A. thesauricusはエーリッヒ反応で弱い陽性(淡い帯緑黄色)を示した。
Gruta de las Maravillas

(新種)

Aspergillus baeticus A. Novakova & Hubka
語源…バエティス(ローマ帝国時代の地域名)の
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【よく似た種との区別】
Aspergillus ustus
同じUsti節に含まれる
顕微鏡的形質が類似している
ITS+benA+caM、ITS、benAcaMrpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子柄の幅が狭い
本種と異なり頂嚢が長楕円形ではなく半球形~類球形
本種と異なりMEA培地でのコロニーが淡黄色ではなく”hairy brown”~帯オリーブ灰色
本種よりMEA培地での生長が速い
本種よりYES培地での生長が速い
ITS+benA+caM、ITS、benAcaMrpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(rpb2の塩基配列に2%の差異)
Aspergillus pseudoustus
同じUsti節に含まれる
ITS+benA+caM、ITS、benAcaMに基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子のサイズが顕著に小さく、サイズの範囲が重ならない
本種と異なりヒューレ細胞を欠く
ITS+benA+caM、ITS、benAcaMに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Aspergillus puniceus
同じUsti節に含まれる
ITS+benA+caM、ITS、benAcaMrpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子のサイズが顕著に小さく、サイズの範囲が重ならない
ITS+benA+caM、ITS、benAcaMrpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cueva del Tesoro

(新種)

Aspergillus thesauricus Hubka & A. Novakova
語源…宝の(「宝の洞窟 (Cueva del Tesoro)」で発見されたことから)
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【よく似た種との区別】
Aspergillus germanicus
同じUsti節に含まれる
ITS+benA+caM、ITS、benAcaMに基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子柄の幅が広い
本種より頂嚢のサイズが小さい
本種と異なり37°Cで生育する
本種より各種培地でのコロニーの生長が遅い
ITS+benA+caMbenAcaMに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Aspergillus keveii
同じUsti節に含まれる
エーリッヒ反応陽性である
ITS+benA+caM、ITS、benAcaMrpb2に基づく分子系統解析で近縁(rpb2の塩基配列の差異が1%と少しにとどまる)
本種より分生子のサイズが顕著に小さい
本種と異なりエーリッヒ反応が淡い帯緑黄色ではなく紫色
本種より各種培地(CREA培地を含む)でのコロニーの生長が速い
ITS+benA+caMbenAcaMrpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Aspergillus insuetus
同じUsti節に含まれる
同所的に分布する(スペインのCueva del Tesoro洞窟)
洞窟から分離されている
エーリッヒ反応陽性である
ITS+benA+caM、ITS、benAcaMrpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種より頂嚢のサイズが大きい
本種と異なりエーリッヒ反応が淡い帯緑黄色ではなく紫色
本種よりMEA培地での生長が速い
本種よりYES培地での生長が遅い
ITS+benA+caMbenAcaMrpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
本種と異なりM-13コアフィンガープリンティングのパターンがII型ではなくIV型