(仮訳)A. wentiiに近縁な土壌由来の広範に分布する新種、Aspergillus europaeus
Hubka, V. et al., 2016. Aspergillus europaeus sp. nov., a widely distributed soil-borne species related to A. wentii (section Cremei). Plant Systematics and Evolution. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s00606-016-1293-7 [Accessed April 6, 2017].
【R3-03907】2017/04/06投稿

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3行まとめ

洞窟の土壌などから分離された菌を検討し、Aspergillus europaeusとして新種記載した。
本種はCremei節に含まれ、従来A. wentiiあるいはA. tamariiと同定されていたが、ヨーロッパ諸国およびチュニジアに広範に分布していた。
本種は培養下で黄色の水溶性色素を産生し、HPLCでスルクロン類およびビアントロン類が検出された。
Romania, near Movile cave

(新種)

Aspergillus europaeus Hubka, A. Nováková, Samson, Houbraken, Frisvad, M. Kolařík
語源…ヨーロッパの
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【よく似た種との区別】
Aspergillus wentii
同じCremei節に含まれる
チェコ、スペインに分布する
洞窟から報告されている
ヒトの爪から分離される
形態的に類似している(誤同定された例がある)
有性世代が知られていない
37°Cで生育不能
スロクリン類およびビアントロン類を産生する
ITS、β-チューブリン、カルモジュリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり頂嚢がほとんどの場合洋梨形なのではなく主に球形~類球形
本種より分生子頭のサイズが大きい
本種と異なりMEA培地でのコロニーが胞子形成に伴い暗褐色になるのではなく黄褐色またはオリーブ褐色
本種と異なりMEA培地でのコロニーが隆起しない
本種と異なり培養下で水溶性の黄色色素を産生しない
本種と異なりウェンティラクトン類を産生する
ITS、β-チューブリン、カルモジュリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Aspergillus tamarii
形態的に類似している(誤同定された例がある)
Aspergillus dimorphicus
チェコ、スペインに分布する
同じCremei節に含まれる
有性世代が知られていない
37°Cで生育不能
スロクリン類およびビアントロン類を産生する
ITS、β-チューブリン、カルモジュリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり植物の葉面や根から分離される
本種と異なり頂嚢がほとんどの場合洋梨形なのではなく主に球形~類球形
本種と異なり分生子表面が粗いのではなくほぼ平滑~微細な粗面
本種と異なりMEA培地でのコロニーが胞子形成に伴い暗褐色になるのではなく黄褐色またはオリーブ褐色
本種と異なりMEA培地でのコロニーが隆起しない
本種と異なり培養下で水溶性の黄色色素を産生しない
本種と異なりウェンティラクトン類を産生する
ITS、β-チューブリン、カルモジュリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Aspergillus chrysellus
ITS、β-チューブリン、カルモジュリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり有性世代が知られている
本種と異なりウェンティラクトン類を産生する
ITS、β-チューブリン、カルモジュリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される