(仮訳)臨床分離株の再同定過程で見出された新種Aspergillus pragensis
Hubka, V. et al., 2014. Aspergillus pragensis sp. nov., discovered during molecular re-identification of clinical isolates belonging to the section Candidi. Medical Mycology. Available at: http://mmy.oxfordjournals.org/content/52/6/565.long [Accessed August 9, 2014].
【R3-00989】2014/08/10投稿

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3行まとめ

チェコで患者の唾液、耳、爪などから分離され、初めコウジカビ属Candidi節の菌と同定された9菌株を検討した。
そのうち、外耳炎の原因菌、侵襲性アスペルギルス症が疑われる患者から分離された菌、非白癬性爪真菌症の原因菌をそれぞれ既知種に同定した。
また、2菌株が未記載種であることを示し、多相分類学的アプローチに基づきA. pragensisとして新種記載した。
Czech Republic, Prague

(新種)

Aspergillus pragensis Hubka, Frisvad & M. Kolařík
語源…プラハ産の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Aspergillus campestris
MEA37°Cで生育不能
ITS、benAcaMに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり分生子が球形ではなく楕円形
本種と異なり菌核を形成しない
本種と異なりMEA25°Cでのコロニーが白色ではなく硫黄色
benAcaMに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(配列類似度はbenA95%、caM97%)
ITS領域の配列が1塩基異なる
Aspergillus taichungensis
ITS、benAcaMに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりMEA37°Cで生育可能
benAcaMに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(配列類似度はbenA94%、caM95%)
ITS領域の配列が1塩基異なる
Aspergillus candidus
チェコに分布する
ヒトの足の爪から分離される
MEA培地でのコロニーが類白色
MEA37°Cで生育不能
benAcaMに基づく分子系統解析で近縁
ITS領域の塩基配列が完全に一致する
本種と異なりMEA25°C、14-21dでのリバースが赤褐色ではなく類白色~帯黄褐色
本種と異なり全培地での生長が非常に遅いという特徴を欠く
benAcaMに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(配列類似度はbenA91%、caM97%)
Aspergillus tritici
チェコに分布する
ヒトの足の爪から分離される
ITS、benAcaMに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりMEA37°Cで生育可能
benAcaMに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(配列類似度はbenA91%、caM95%)
ITS領域の配列が2塩基異なる