(仮訳)古い針葉樹倒木に発生した新種の多孔菌、Aurantiporus priscus
Niemelä, T., Miettinen, O. & Manninen, O., 2012. Aurantiporus priscus (Basidiomycota), a new polypore from old fallen conifer trees. Annales Botanici Fennici. Available at: http://www.bioone.org/doi/abs/10.5735/085.049.0308 [Accessed January 2, 2017].
【R3-03622】2017/01/02投稿

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3行まとめ

フィンランド、ポーランド、およびスウェーデンにおいて針葉樹の巨木の幹に発生した多孔菌の一種を検討し、Aurantiporus priscusとして新種記載した。
本種は管孔が淡鮭肉色で柔らかい肉質であり、子実体形成菌糸層が橙色~黄褐色で綿毛状であることなどで特徴づけられた。
Polyporus salmonicolorのタイプ標本を検討し、ヨーロッパ産の分類群に対してこの学名を用いることを当面控えることを提案した。
Poland. Podlesie Reg., Hajnówka Dist., Białowieża National Park, Poprzeczny Tryb

(新種)

Aurantiporus priscus Niemelä, Miettinen & Manninen
語源…古代の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Hapalopilus aurantiacus
形態的に類似している(従来混同されてきた)
子実体が肉質
本種より子実体が強く色づく
本種と異なり管孔がKOHで血赤色に強く呈色する
本種と異なり担子胞子が楕円形ではなく円筒形
本種と異なり子実体形成菌糸層のルーメンの幅が狭い
本種と異なり子実体形成菌糸層の菌糸が厚壁
本種と異なり子実体形成菌糸層の菌糸にパッチ状の明るい紫桃色のアミロイド反応を認める
Hapalopilus ochraceolateritius
形態的に類似している(従来混同されてきた)
子実体が肉質
本種より子実体が強く色づく
本種と異なり管孔がKOHで血赤色に強く呈色する
本種と異なり担子胞子が楕円形ではなく円筒形
本種と異なり子実体形成菌糸層のルーメンの幅が狭い
本種と異なり子実体形成菌糸層の菌糸が厚壁
本種と異なり子実体形成菌糸層の菌糸にパッチ状の明るい紫桃色のアミロイド反応を認める
Leptoporus mollis(オオシミタケ)
子実体が背着生
子実体の色が類似している
子実体の形状が類似している
本種より子実体が柔らかい
本種と異なり子実体がKOHで僅かに暗色になるのではなく呈色反応を示さない
本種より担子胞子の幅が狭い
本種と異なり菌糸にクランプを欠く
Poria rubens
本種より子実体が薄い
本種と異なり子実体が老成あるいは乾燥すると鈍い紫色に変色する
本種と異なり管孔がKOHでほぼ黒色に呈色する
Poria carnicolor
本種と異なり管孔が子実体形成菌糸層と同色
本種より担子胞子がずっと長い
Hapalopilus mutans
本種と異なりフィンランド、スウェーデン、ポーランドではなく北米などに分布する
本種と異なり針葉樹ではなく被子植物を宿主とする
本種より担子胞子のサイズが大きい