(仮訳)インド、シッキム産の顕著な緑色で粘性のある傘を有する新種、Austroboletus olivaceoglutinosus
Das, K. & Dentinger, BTM., 2015. Austroboletus olivaceoglutinosus, a new mushroom species from Sikkim, India with a distinctive green, glutinous pileus. Kew Bulletin. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s12225-015-9563-z [Accessed May 18, 2015].
【R3-01838】2015/05/19投稿

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3行まとめ

インド、シッキム州の亜高山帯森林においてトウヒ属およびツガ属の樹下に発生したイグチの一種を検討し、Austroboletus olivaceoglutinosusとして新種記載した。
本種は傘がオリーブ色で粘性を有し、傘縁部が幼時子実層面を完全に覆い、柄が異常に長く、強い果実臭があることなどで特徴づけられた。
また、肉は硫酸鉄で帯緑色に呈色し、顕微鏡的には担子胞子の畝が複雑な網目状をなすことなどで特徴づけられた。
India, Sikkim, North distr., Lachen top

(新種)

Austroboletus olivaceoglutinosus K. Das & Dentinger
語源…オリーブ色で粘性のある(傘の色と表面性状から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Austroboletus fusisporus(ヤシャイグチ)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりインドにおける分布が知られていない
本種より傘のサイズが顕著に小さい
本種より担子胞子の幅が広い
本種と異なり担子胞子全体に不規則な網目状装飾および裂溝を有するのではなくペグ状の疣を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Austroboletus subvirens(オオヤシャイグチ)
傘がオリーブ緑色
本種と異なりインドではなくアジア、南北アメリカ大陸、ヨーロッパ、オーストラリアなどに広く分布する
本種と異なり高標高に分布するという特徴を欠く
本種と異なりマツ科植物ではなくコナラ属などの広葉樹と関係を持つ
本種と異なり傘表面に顕著な粘性を欠く
本種と異なり担子胞子全体に不規則な網目状装飾および裂溝を有するという特徴を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Austroboletus olivaceus
傘がオリーブ緑色
本種と異なりインドではなくブラジルに分布する
本種と異なり亜高山帯に分布しない
本種と異なり傘表面に顕著な粘性を欠く
本種と異なり担子胞子全体に不規則な網目状装飾および裂溝を有するという特徴を欠く
Austroboletus gracilis(クリカワヤシャイグチ)
インドに分布する
本種と異なり傘がオリーブ緑色ではなくさび色・帯赤褐色・肉桂褐色・濃い帯赤褐色
本種と異なり傘表面が類ビロード状で小区画を生じる
本種と異なり柄が白色~淡黄色ではなく橙褐色~褐色
本種と異なり強い果実臭があるのではなく臭いが明瞭でない
Austroboletus mucosus
傘に粘性を有する
本種と異なりインドにおける分布が知られていない
本種と異なり傘がオリーブ緑色ではなく褐色でのちに黄褐色となる
本種と異なり担子胞子全体に不規則な網目状装飾および裂溝を有するのではなく個々独立した小疣が中ほどに限って分布する
Austroboletus mutabilis
担子胞子の装飾が非常に類似している
本種と異なりインドにおける分布が知られていない
本種ほど担子胞子の胞子盤が顕著に平滑でない