(仮訳)テラトスフェリア科の岩石生組織分裂性菌類に近縁な地衣生菌の南方系の新属、Austrostigmidium
Pérez-Ortega, S., Garrido-Benavent, I. & De Los Ríos, A. 2015. Austrostigmidium, a new austral genus of lichenicolous fungi close to rock-inhabiting meristematic fungi in Teratosphaeriaceae. The Lichenologist. … Available at: http://journals.cambridge.org/abstract_S0024282915000031 [Accessed April 13, 2016].
【R3-02831】2016/04/13投稿

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3行まとめ

南極およびティエラ・デル・フエゴにおいてMastodia tessellataに発生した地衣生菌の一種を検討し、新属新種Austrostigmidium mastodiaeとして記載した。
本種は黒色の偽子嚢殻を形成し、子嚢胞子が無色で3隔壁を有することなどで特徴づけられた。
分子系統解析では本種がテラトスフェリア科クレードに含まれ、岩石生菌類や地衣生Xanthoriicola属菌に近縁であることが示唆された。
Antarctica, South Shetlands, Livingston Island, Glaciar Rocoso

(新種)

Austrostigmidium mastodiae Pérez-Ortega & Garrido-Benavent
語源…(属名)南方の+Stigmidium属/(種小名)Mastodia属の
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【よく似た種との区別】
Xanthoriicola physciae
地衣生菌である
分生子が単細胞
nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりMastodia属ではなくロウソクゴケ属地衣などを宿主とする
本種と異なり有性世代を欠く
本種と異なり分生子形成細胞がいくぶんアンプル形なのではなく杯状
本種と異なり分生子が無色ではなく暗褐色
本種と異なり分生子表面が疣状
nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Friedmanniomyces spp.
南極に分布する
nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりチリにおける分布が知られていない
本種と異なり地衣生菌ではなく岩石に生じる
本種と異なり有性世代を欠く
本種と異なり分生子が単細胞ではなく単細胞~多細胞
本種と異なり栄養菌糸が無色~暗褐色ではなく淡褐色~暗褐色
nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pseudostigmidium spp.
南米南部に分布する
地衣生菌である
子嚢果が円錐形
子嚢胞子の隔壁数が3
“periphysis”を有する
子囊果内菌糸系の要素を欠く
本種と異なりMastodia属ではなくツメゴケ目地衣を宿主とする
本種と異なり子嚢果の壁が多角形の細胞からなる異形菌糸組織ではなくいくぶん放射状の数珠状菌糸のネットワークからなる
Pseudostigmidium biseptatum
子嚢果の壁が異形菌糸組織からなる
本種と異なり子嚢果が類球形~円錐形ではなく類球形
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が3ではなく2
Stigmidium spp.
偽子嚢殻の壁が異形菌糸組織からなる
子嚢が二重壁
子嚢の先端に眼房構造を有する
子嚢の先端構造がBCrで認められる
栄養菌糸が無色~暗褐色
本種と異なり子嚢胞子が褐色になることがある
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が3ではなく常に1(一部の菌群を除く)
本種より子嚢胞子が薄壁
本種と異なり子実層上にタイプAの短い偽側糸ではなく短い~長い偽側糸が認められる
Epibryon spp.
本種と異なり地衣生菌ではなく主にコケ生菌である
本種と異なり子嚢果に剛毛を有する種が多い
本種と異なり子実層にI+青色およびKI+青色のゲルを有する
本種と異なり子嚢に眼房構造を欠く
本種と異なり”periphysis”を欠く
Sphaerellothecium spp.
子嚢胞子の隔壁数が3のことがある
本種と異なり子嚢内部に”paraphysoid”を有する
本種と異なり子嚢胞子が成熟すると褐色になることがある
本種と異なり栄養菌糸が無色~暗褐色ではなく褐色
Clauzadella spp.
子嚢胞子の隔壁数が3のことがある
本種より偽子嚢殻のサイズが大きい
本種と異なり偽子嚢殻に特徴的な紫色色素を含む