(仮訳)両生類に致死的なツボカビ症を起こす新種Batrachochytrium salamandrivorans
Martel, A., et al., 2013. Batrachochytrium salamandrivorans sp. nov. causes lethal chytridiomycosis in amphibians. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America. … Available at: http://www.pnas.org/content/110/38/15325.short [Accessed November 10, 2013].
【R3-00036】2013/11/24投稿

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3行まとめ

オランダでファイアサラマンダーの個体群減少に関与していると考えられる病原菌を、カエルツボカビ属のBatrachochytrium salamandrivoransとして新種記載した。
本種をファイアサラマンダーに人為的に感染させると、侵食性の皮膚病を起こして12-18日程度で迅速に死に至った。
分子系統解析では本種はカエルツボカビと近縁であったが、温度適性に差異が見られ(より低温の15°Cが本種の最適生長温度)、ニッチが異なっている可能性が示唆された。

(関連サイト)

イモリツボカビはアジア産 京大解明、欧州の両生類に拡大 – 中日新聞(2014年10月31日)(ウェブ魚拓

Bunderbos, Netherlands

(新種)

Batrachochytrium salamandrivorans Martel, Blooi, Bossuyt and Pasmans
イモリツボカビ
語源…サラマンダーを食べる
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Batrachochytrium dendrobatidis(カエルツボカビ)
両生類に致死的な皮膚病を起こす
自然界で両生類の個体群の深刻な減少に関与している
微細構造が本種と極めて類似している
LSU+SSUに基づく分子系統解析で近縁
現在のところ、本種よりずっと広範な宿主範囲をとると考えられる
本種が侵食性の皮膚病を起こすのに対して、B. dendrobatidisは典型的には皮膚を侵食せず、hyperplasiaおよびhyperkeratosisを引き起こす
本種より高い温度に最適生長温度がある
LSU+SSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される