(仮訳)アジア産地衣生子嚢菌の新属Biazrovia
Zhurbenko, MP. & Etayo, J., 2013, Biazrovia, a new genus of lichenicolous ascomycetes from Asia. Mycobiota. Available at: http://www.mycobiota.com/downloads/05__13-06.pdf [Accessed October 5, 2014].
【R3-01162】2014/10/06投稿

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3行まとめ

シベリアで発見されたキゴケ属地衣を宿主とする地衣生菌を検討し、新属新種Biazrovia stereocaulicolaとして記載した。
本種は子嚢盤が橙褐色~肉桂色で最終的にイチイの果実のような壺形になり、外皮層が杯状で毛を欠くことなどで特徴づけられた。
顕微鏡的には子嚢が8胞子性で頂部が厚壁、子嚢胞子が無色平滑で横隔壁を有し、側糸が頂部が膨大する糸状であることなどで特徴づけられた。
Russia, Siberia, Irkutsk Region, 2 km SE of Anchuk, Bol’shaya Bystraya River

(新種)

Biazrovia stereocaulicola Zhurb. & Etayo
語源…(属名)ロシアの地衣学者、Lev Biazrovに献名/(種小名)キゴケ属に生息する
※本種はZhurbenko (2010) で”pyrenomycete 2″と呼ばれていた菌である。
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Paschelkiella pini
形態的に類似している
本種と異なり地衣生菌ではなく樹皮の剥がれた材に生じる腐生菌である
本種と異なり子嚢がI陰性でなく判然としないI陽性
本種と異なり子嚢胞子が狭楕円形でなはなく円筒形
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が3ではなく1
本種と異なり側糸が頭状でない
Odontotrema spp.
同じオストロパ目に含まれる
本種と異なり子嚢盤がしばしば放射状に裂ける
本種と異なり子嚢果が”cleistohymenial”の性状を有する
本種と異なり通常よく発達した周糸状体を有する
本種と異なり子実層が無色ではなく最終的に赤色になる
本種と異なり子実層がI陰性ではなくI陽性
本種と異なり子嚢に顕著な眼房構造を有する
Paralethariicola spp.
同じオストロパ目に含まれる
本種と異なり子嚢盤がしばしば放射状に裂ける
本種と異なり子嚢果が”cleistohymenial”の性状を有する
本種と異なり外皮層に毛を有する
本種と異なり通常よく発達した周糸状体を有する
本種と異なり子実層が無色ではなく最終的に赤色になる
本種と異なり子実層がI陰性ではなくI陽性
本種と異なり子嚢に顕著な眼房構造を有する
本種と異なり子嚢胞子が屈曲する
Spirographa spp.
同じオストロパ目に含まれる
本種と異なり子嚢果が暗褐色~黒色
本種と異なり子嚢果が”cleistohymenial”の性状を有する
本種と異なり子実層を暗黄色の粒状の層が覆う
本種と異なり子嚢の頂部が厚壁ではなく僅かにしか厚壁にならない
本種と異なり子嚢胞子が楕円形ではなく針形
本種と異なり子嚢胞子が通常屈曲する
Llimoniella spp.
本種と異なりオストロパ目ではなくビョウタケ目に含まれる
本種と異なり子嚢盤が橙褐色~肉桂色ではなく暗褐色~帯黒色
本種と異なり子嚢盤が壺形でない
本種と異なり子嚢の頂部が厚壁でなく通常ほとんど厚壁にならない
本種と異なり側糸が頭状ではなく頂部の膨大が不明瞭
Rhymbocarpus spp.
本種と異なりオストロパ目ではなくビョウタケ目に含まれる
本種と異なり子嚢盤が橙褐色~肉桂色ではなく黒色
本種と異なり外皮層に毛を有する種がある
本種と異なり子実上層が帯緑色
本種と異なり子実上層がK陽性帯オリーブ色
本種と異なり子嚢頂部が厚壁ではなく厚壁にならないか僅かにしかならない
本種と異なり側糸が頭状ではなく頂部が僅かにしか膨大しない
Skyttea spp.
本種と異なりオストロパ目ではなくビョウタケ目に含まれる
本種と異なり子嚢盤が橙褐色~肉桂色ではなく暗色
本種と異なり外皮層に永続的に毛を有する
本種と異なり子嚢に小さいが顕著な眼房構造を有する
本種と異なり側糸が頭状ではなく頂部が膨大しないか膨大に乏しい
Unguiculariopsis acrocordiae
地衣生菌である
外皮層に毛を欠く
子嚢の頂部が厚壁
本種と異なりオストロパ目ではなくビョウタケ目に含まれる