(仮訳)南アフリカにおけるサクラ属植物の潜在的病原菌としてのボトリオスフェリア科菌類、および新種Diplodia africanaおよびLasiodiplodia plurivoraの記載
Damm, U., Crous, PW. & Fourie, PH. 2007. Botryosphaeriaceae as potential pathogens of Prunus species in South Africa, with descriptions of Diplodia africana and Lasiodiplodia plurivora sp. nov. Mycologia. Available at: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18268901 [Accessed October 9, 2019] 【R3-06661】2019/10/9投稿

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3行まとめ

南アフリカにおいて立ち枯れや壊死などの病徴を示したサクラ属樹木の材から分離された菌の形態学的検討および分子系統解析を実施した。
ボトリオスフェリア科の8種を同定し、そのうちDiplodia africanaおよびLasiodiplodia plurivoraを新種記載した。
3種の新宿主としてサクラ属を報告したほか、1種を南アフリカ新産種として報告した。
South Africa, Western Cape Province, Paarl

(新種)

Diplodia africana Damm & Crous
語源…アフリカの
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【よく似た種との区別】
Diplodia mutila
南アフリカに分布する
同じサクラ属植物を宿主とする
分生子が無色
分生子に隔壁を欠く
分生子が厚壁
ITS+EF-1aに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりポルトガルなどにおける分布が知られている
本種と異なりブドウが宿主として知られている
本種より分生子が顕著に短い
ITS+EF-1aに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Diplodia mutila var. major
同じバラ科植物を宿主とする
分生子が無色
分生子に隔壁を欠く
本種と異なり南アフリカではなくポーランドなどに分布する
本種と異なりサクラ属ではなくナシ属植物などを宿主とする
本種と異なり分生子が長楕円形~類円筒形ではなく長楕円形
Diplodia rosulata
同じサクラ属植物を宿主とする
分生子の形態が類似している
ITS+EF-1aに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり分生子が放出後に常に褐色になる
本種と異なり分生子が長楕円形~類円筒形ではなく卵形~楕円形~卵状
本種より分生子の長さ/幅比が小さい
ITS+EF-1aに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Diplodia cupressi
分生子の形態が類似している
ITS+EF-1aに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり南アフリカではなくイスラエルなどに分布する
本種と異なりサクラ属ではなくイトスギ属植物などを宿主とする
本種と異なり分生子が放出後に常に褐色になる
本種と異なり分生子が長楕円形~類円筒形ではなく卵状
本種より分生子の長さ/幅比が小さい
ITS+EF-1aに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Diplodia quercus
分生子の形態が類似している
本種より分生子の幅が広い
Diplodia quercina
分生子の形態が類似している
本種より分生子の幅が広い
Botryosphaeria tsugae
本種と異なり南アフリカではなくカナダなどに分布する
本種と異なりサクラ属ではなくツガ属植物などを宿主とする
本種より分生子のサイズが顕著に大きい
ITS+EF-1aに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Diplodia corticola
分生子のサイズが類似している
ITS+EF-1aに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり分生子柄が退化的
本種より分生子の平均サイズが大きい
本種より分生子の長さ/幅比が小さい
本種と異なり分生子が長楕円形~類円筒形ではなく類球形
Diplodia porosum
本種より分生子のサイズが小さい
本種と異なり分生子が長楕円形~類円筒形ではなく卵状~広楕円形
本種と異なり分生子に孔を有する
South Africa, Western Cape Province, Stellenbosch

(新種)

Lasiodiplodia plurivora Damm & Crous
語源…多犯性の
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【よく似た種との区別】
Lasiodiplodia theobromae
同じブドウ属植物を宿主とする
ITS+EF-1aに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり南アフリカではなくメキシコ、アルゼンチンなどに分布する
本種と異なりマツ属植物が宿主として知られている
本種より分生子のサイズが小さい
ITS+EF-1aに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lasiodiplodia gonubiensis
南アフリカに分布する
同じフトモモ科植物を宿主とする
ITS+EF-1aに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブドウ属、ユーカリ属、サクラ属ではなくフトモモ属植物などを宿主とする
本種より分生子のサイズが大きい
ITS+EF-1aに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lasiodiplodia venezuelensis
ITS+EF-1aに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり南アフリカではなくベネズエラなどに分布する
本種と異なりブドウ属、ユーカリ属、サクラ属ではなくアカシア属植物などを宿主とする
本種より分生子の幅が狭い
本種より側糸のサイズが小さい
本種と異なり側糸が盛んに分枝するのではなく分枝しない
ITS+EF-1aに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lasiodiplodia crassispora
分生子のサイズが類似している
ITS+EF-1aに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり南アフリカではなくベネズエラなどに分布する
本種と異なりブドウ属、ユーカリ属、サクラ属ではなくビャクダン属植物などを宿主とする
本種より側糸のサイズが小さい
本種と異なり側糸が盛んに分枝するのではなく分枝しない
ITS+EF-1aに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lasiodiplodia rubropurpurea
オーストラリアに分布する
同じユーカリ属植物を宿主とする
分生子のサイズが類似している
ITS+EF-1aに基づく分子系統解析で近縁
ITS+EF-1aに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Diplodia seriata De Not.
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(その他掲載種)

Diplodia pinea (Desm.) J.J. Kickx
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(その他掲載種)

Neofusicoccum australe (Slippers, Crous & M.J. Wingf.) Crous, Slippers & A.J.L. Phillips
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【よく似た種との区別】
Neofusicoccum vitifusiforme
南アフリカに分布する
同じサクラ属植物を宿主とする
ITS+EF-1aに基づく分子系統解析で近縁
ITS+EF-1aに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(南アフリカ新産種)

Diplodia mutila (Fr.) Mont.
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【よく似た種との区別】
Diplodia aflicana
南アフリカに分布する
同じサクラ属植物を宿主とする
分生子が無色
分生子に隔壁を欠く
分生子が厚壁
ITS+EF-1aに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりポルトガルなどにおける分布が知られていない
本種と異なりブドウが宿主として知られていない
本種より分生子が顕著に長い
ITS+EF-1aに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Neofusicoccum vitifusiforme (Van Niekerk & Crous) Crous, Slippers & A.J.L. Phillips
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【よく似た種との区別】
Neofusicoccum australe
南アフリカに分布する
同じサクラ属植物を宿主とする
ITS+EF-1aに基づく分子系統解析で近縁
ITS+EF-1aに基づく分子系統解析で明瞭に区別される