(仮訳)日本の病院において入院患者の外耳道から分離された子嚢菌酵母の新種、Candida auris
Satoh, K. et al., 2009. Candida auris sp. nov., a novel ascomycetous yeast isolated from the external ear canal of an inpatient in a Japanese hospital. Microbiology and Immunology. Available at: http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1348-0421.2008.00083.x/full [Accessed June 21, 2017].
【R3-04136】2017/06/21投稿

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3行まとめ

東京都の病院において70歳女性入院患者の外耳道滲出液から分離された酵母の一種を検討し、Candida aurisとして新種記載した。
本種は37-40°Cが生育適温であり、42°Cでも緩やかに生長した。
本種は分子系統解析でMetschnikowiaceaeクレードに含まれ、近縁種とは偽菌糸の形成の有無や最大生長温度、炭素源の資化能などで区別された。
東京都板橋区栄町 東京都健康長寿医療センター

(新種)

Candida auris Satoh & Makimura
語源…耳の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Candida pseudohaemulonii
臨床検体から分離される
ITSおよびD1/D2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり偽菌糸を形成する
本種と異なり42°Cで生育不能
本種と抗真菌薬に対する感受性が異なる
ITSおよびD1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSの類似度81.4%、D1/D2の類似度83.0%)
Candida haemulonii
ITSおよびD1/D2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり偽菌糸を形成する
本種と異なり42°Cで生育不能
ITSおよびD1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSの類似度87.5%、D1/D2の類似度85.7%)
Candida heveicola
偽菌糸を形成しない
ITSおよびD1/D2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり42°Cで生育不能
ITSおよびD1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSの類似度81.3%)
Candida ruelliae
42°Cで生育可能
ITSおよびD1/D2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり偽菌糸を形成する
本種と異なりガラクトース、L-ソルボース、セロビオース、L-アラビノース、エタノール、グリセロール、サリシン、クエン酸を資化可能
ITSおよびD1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(D1/D2の類似度82.4%)