(仮訳)中国南西部産の桃色の新種、Cantharellus phloginus
Shao, S-C. et al., 2016. Cantharellus phloginus, a new pink-colored species from southwestern China. Mycoscience. Available at: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1340354015001035 [Accessed March 17, 2016].
【R3-02752】2016/03/18投稿

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3行まとめ

中国雲南省においてマツ属およびシイ属植物の樹下で採集された菌を検討し、Cantharellus phloginusとして新種記載した。
本種は傘および柄が桃色を帯びて、黄橙色の子実層托と対照をなし、皺襞がよく発達し、担子胞子がQm < 2.0の楕円形で、子実体全体にクランプを有することなどで特徴づけられた。
分子系統解析の結果、本種はCinnabarinus亜属の基準種であるC. cinnabarinusと姉妹群を形成した。
中国雲南省普洱市

(新種)

Cantharellus phloginus S.C. Shao & P.G. Liu
語源…桃色の(子実体の色から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Cantharellus cinnabarinus(ベニウスタケ)
子実体が小型
子実体が赤色系
クランプを有する
EF1-αに基づく分子系統解析で近縁(同じクレード3に含まれる)
本種と異なり中国ではなく北米などに分布する
本種より子実体のサイズが小さい
本種と異なり子実層托が黄橙色ではなく桃色~赤色系
EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cantharellus texensis
子実体が小型
子実体が赤色系
肉が薄い
クランプを有する
EF1-αに基づく分子系統解析で近縁(同じクレード3に含まれる)
本種と異なり中国ではなく北米などに分布する
本種より子実体のサイズが小さい
本種と異なり子実層托が黄橙色ではなく桃色~赤色系
EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cantharellus afrocibarius
クランプを有する
EF1-αに基づく分子系統解析で近縁(同じクレード3に含まれる)
本種と異なり中国ではなくザンビアなどに分布する
EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cantharellus concinnus var. australiensis
肉眼的形態が類似している
本種と異なり中国ではなくオーストラリアなどに分布する
本種より子実体のサイズが小さい
本種ほど子実体が肉質でない
本種と異なり傘表面が無毛でない
本種と異なり皺襞が帯黄色~橙黄色で桃色を帯びることがないという特徴を欠く
Cantharellus floridulus
本種と異なり中国ではなくアフリカなどに分布する
本種と異なりクランプを欠く
Cantharellus addaiensis
本種と異なり中国ではなくアフリカなどに分布する
本種と異なりクランプを欠く
Cantharellus hygrophorus
中国の熱帯域に分布する
明瞭な皺襞を有する
本種と異なりクランプを欠く
Cantharellus pudorinus
子実体が桃色系
担子胞子の形態がほぼ同一
本種と異なり傘表面が平滑ではなく糠状~羊毛状
本種と異なり皺襞がよく発達するのではなく僅かに皺状
本種と異なり柄が先細りになる
本種より担子器のサイズが顕著に大きい
Canthrellus salmoneus
子実体が小型
子実体が桃色を帯びる
本種と異なり中国ではなくベトナムなどに分布する
本種と異なり柄が顕著に中空になる