2017年12月7日 (仮訳)ナフタレン臭のある北米産Hodophilus属菌の種の定義 Adamčík, S. et al., 2016. Circumscription of species of Hodophilus (Clavariaceae, Agaricales) in North America with naphthalene odours. Botany. Available at: http://www.nrcresearchpress.com/doi/10.1139/cjb-2016-0091 [Accessed December 7, 2017]. 【R3-04642】2017/12/7投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 北米産のナフタレン臭を有するHodophilus属菌を検討し、5種を認めた。 H. hesleriおよびH. smithiiの2新種を記載し、他の3種はCamarophyllopsis属から本属に転属させた。 複数遺伝子に基づく系統解析で北米とヨーロッパにまたがり分布する種がないことを示し、傘表皮の末端細胞の形態および柄シスチジアの幅を本属の分類に新たに取り入れた。 USA, Arkansas, Stone County, Gunner pool recreation area, in deciduous forest on riverbank of North Sylamore Creek (新種) Hodophilus hesleri Adamčík, Birkebak & Looney 語源…Lexemuel Ray Hesler博士に献名 【よく似た種との区別】 Hodophilus peckianus 米国に分布する 肉眼的形質が類似している 子実体に不快臭を有する 顕微鏡的形質が類似している 本種と異なり傘が淡灰褐色で中央部ほど暗色なのではなく黒灰色で乾燥すると淡黄褐色 本種と異なり襞が帯褐灰色~灰褐色ではなく淡色で老成すると暗色になる 本種と異なり柄表面が平滑で襞付近が僅かに粉状なのではなく平滑 本種より柄シスチジアの幅が広い 本種と異なり傘表皮に球形の末端細胞を有する Hodophilus subfuscescens 米国に分布する 子実体に不快臭を有する ITS+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁 本種より傘表皮の傘中央部付近における末端細胞の長さ/幅の比が小さい 本種と異なり傘表皮の傘中央部付近における末端細胞が倒洋梨形または有柄球形ではなく倒洋梨形または球形 本種と異なり傘表皮の次端細胞が短いことが稀なのではなくしばしば非常に短い ITS+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される USA, North Carolina, Monroe County, Cherokee National Forest, Walnut Grove Picnic Area (新種) Hodophilus smithii Adamčík, Birkebak & Looney 語源…Alexander Hanchett Smith博士に献名 【よく似た種との区別】 Hodophilus foetens 子実体に不快臭を有する ITS+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり北米ではなくヨーロッパなどに分布する 本種より傘の直径が大きい 本種と異なり傘が淡灰褐色ではなく肉桂褐色 本種と異なり襞がカフェオレ色~帯灰褐色ではなく材木色 本種と異なり柄表面が平滑または微細な帯黒色の点を有するのではなく初めざらざらした点を有する ITS+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Hodophilus peckianus 北米に分布する 子実体に不快臭を有する 本種と異なり傘が淡灰褐色ではなく黒灰色で乾燥すると淡黄褐色 本種と異なり襞がカフェオレ色~帯灰褐色ではなく淡色で老成すると暗色になる 本種と異なり柄表面が平滑または微細な帯黒色の点を有するのではなく平滑 本種と異なり傘表皮の傘中央部付近における末端細胞が有柄球形、頭状、倒洋梨形、棍棒形ではなくほとんどの場合球形、倒洋梨形で顕著な柄を欠く (新組み合わせ) Hodophilus paupertinus (A.H. Sm. & Hesler) Adamčík, Birkebak & Looney 旧名:Camarophyllopsis paupertina (A.H. Sm. & Hesler) Boertm. (新組み合わせ) Hodophilus peckianus (Howe) Adamčík, Birkebak & Looney 旧名:Camarophyllopsis peckiana (Howe) Boertm. 【よく似た種との区別】 Hodophilus hesleri 米国に分布する 肉眼的形質が類似している 子実体に不快臭を有する 顕微鏡的形質が類似している 本種と異なり傘が黒灰色で乾燥すると淡黄褐色なのではなく淡灰褐色で中央部ほど暗色 本種と異なり襞が淡色で老成すると暗色になるのではなく帯褐灰色~灰褐色 本種と異なり柄表面が平滑ではなく平滑で襞付近が僅かに粉状 本種より柄シスチジアの幅が狭い 本種と異なり傘表皮に球形の末端細胞を欠く Hodophilus smithii 北米に分布する 子実体に不快臭を有する 本種と異なり傘が黒灰色で乾燥すると淡黄褐色ではなく淡灰褐色 本種と異なり襞が淡色で老成すると暗色になるのではなくカフェオレ色~帯灰褐色 本種と異なり柄表面が平滑ではなく平滑または微細な帯黒色の点を有する 本種と異なり傘表皮の傘中央部付近における末端細胞がほとんどの場合球形、倒洋梨形で顕著な柄を欠くのではなく有柄球形、頭状、倒洋梨形、棍棒形 (新組み合わせ) Hodophilus subfuscescens (A.H. Sm. & Hesler) Adamčík, Birkebak & Looney 旧名:Camarophyllopsis subfuscescens (A.H. Sm. & Hesler) Arnolds 【よく似た種との区別】 Hodophilus hesleri 米国に分布する 子実体に不快臭を有する ITS+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁 本種より傘表皮の傘中央部付近における末端細胞の長さ/幅の比が大きい 本種と異なり傘表皮の傘中央部付近における末端細胞が倒洋梨形または球形ではなく倒洋梨形または有柄球形 本種と異なり傘表皮の次端細胞がしばしば非常に短いのではなく短いことが稀 ITS+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される