(仮訳)Lyomyces sambuci複合種の分類および4新種の記載
Yurchenko, E., Riebesehl, J. & Langer, E. 2017. Clarification of Lyomyces sambuci complex with the descriptions of four new species. Mycological Progress. Available at: https://link.springer.com/article/10.1007/s11557-017-1321-1 [Accessed January 16, 2022] 【R3-09152】2022/1/16投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

Lyomyces sambuci複合種の再検討を実施し、レユニオン、ブラジル、および台湾から計4新種を記載した。
温暖湿潤の気候条件では子実体が薄く、菌糸が薄壁であった一方、温帯域または山地に分布する種では子実体がより厚く、菌糸が僅かに厚壁であった。
また、分子データからは狭義L. sambuciと形態的に同一である隠蔽種の存在が示された。
France, La Réunion, Forêt Notre Dame de la Paix, Sentier botanique

(新種)

Lyomyces allantosporus Riebesehl, Yurchenko & E. Langer
語源…ソーセージ形の胞子の(担子胞子の形状から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Lyomyces sambuci
同じLyomyces sambuci複合種に含まれる
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりレユニオンではなくスウェーデン、米国、ドイツ、ウガンダ、ドイツなどに分布する
本種より担子器が長い
本種より担子器の幅が狭い
本種と異なり担子胞子が類ソーセージ形でない
本種と異なり担子胞子に微細な油滴、時に2つの油滴を含むという特徴を欠く
本種と異なり菌糸が薄壁でない
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
France, La Réunion, between Saint-Paul and Cirque de Mafate, Route Forestière no.68 des Cryptomérias

(新種)

Lyomyces mascarensis Riebesehl, Yurchenko & E. Langer
語源…マスカリン(諸島)産の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Lyomyces sambuci
同じLyomyces sambuci複合種に含まれる
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりレユニオンではなくスウェーデン、米国、ドイツ、ウガンダ、ドイツなどに分布する
本種と異なり子実層面が老成するとクリーム色になるという特徴を欠く
本種と異なり担子胞子がしばしば広楕円形という特徴を欠く
本種と異なり担子胞子が薄壁でない
本種と異なりシスチジアが類数珠状という特徴を欠く
本種より子実体形成菌糸層菌糸が顕著である
本種より子実体形成菌糸層菌糸の平均幅が広い
本種より子実体形成菌糸層菌糸が厚壁
本種ほど子実体形成菌糸層菌糸が密に詰まっていない
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Brazil, Rio de Janeiro State, Nova Iguaçu municipality, eastern slope of Tingua Mt. (Pico do Tinguá), west of Tinguá village

(新種)

Lyomyces organensis Yurchenko & Riebesehl
語源…オルガン山(セラ・ドス・オルガンス)産の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Lyomyces sambuci
同じLyomyces sambuci複合種に含まれる
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジルではなくスウェーデン、米国、ドイツ、ウガンダ、ドイツなどに分布する
本種と異なり子実層面が微細な疣状という特徴を欠く
本種と異なりシスチジアがほとんど発達していない偽頭状、ごく稀に頭状という特徴を欠く
本種と異なりシスチジアに樹脂状結晶を伴わないのではなく伴う
本種と異なり菌糸が薄壁でない
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
台湾雪覇国家公園観霧

(新種)

Lyomyces orientalis Riebesehl, Yurchenko & E. Langer
語源…東洋の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Lyomyces sambuci
同じLyomyces sambuci複合種に含まれる
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり台湾ではなくスウェーデン、米国、ドイツ、ウガンダ、ドイツなどに分布する
本種と異なり担子胞子が広楕円形の傾向があるのではなく狭楕円形の傾向がある
本種と異なり担子胞子に小さな突起または不明瞭な嘴状突起を有するという特徴を欠く
本種と異なり担子胞子が顕著な厚壁という特徴を欠く
本種と異なり担子胞子が非シアノフィリックという特徴を欠く
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Lyomyces sambuci (Persoon) P. Karsten
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Lyomyces allantosporus
同じLyomyces sambuci複合種に含まれる
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりスウェーデン、米国、ドイツ、ウガンダ、ドイツなどではなくレユニオンに分布する
本種より担子器が短い
本種より担子器の幅が広い
本種と異なり担子胞子が類ソーセージ形である
本種と異なり担子胞子に微細な油滴、時に2つの油滴を含む
本種と異なり菌糸が薄壁である
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lyomyces mascarensis
同じLyomyces sambuci複合種に含まれる
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりスウェーデン、米国、ドイツ、ウガンダ、ドイツなどではなくレユニオンに分布する
本種と異なり子実層面が老成するとクリーム色になる
本種と異なり担子胞子がしばしば広楕円形である
本種と異なり担子胞子が薄壁である
本種と異なりシスチジアが類数珠状
本種ほど子実体形成菌糸層菌糸が顕著でない
本種より子実体形成菌糸層菌糸の平均幅が狭い
本種より子実体形成菌糸層菌糸が薄壁
本種より子実体形成菌糸層菌糸が密に詰まっている
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lyomyces organensis
同じLyomyces sambuci複合種に含まれる
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりスウェーデン、米国、ドイツ、ウガンダ、ドイツなどではなくブラジルに分布する
本種と異なり子実層面が微細な疣状
本種と異なりシスチジアがほとんど発達していない偽頭状、ごく稀に頭状である
本種と異なりシスチジアに樹脂状結晶を伴うのではなく伴わない
本種と異なり菌糸が薄壁である
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lyomyces orientalis
同じLyomyces sambuci複合種に含まれる
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりスウェーデン、米国、ドイツ、ウガンダ、ドイツなどではなく台湾に分布する
本種と異なり担子胞子が狭楕円形の傾向があるのではなく広楕円形の傾向がある
本種と異なり担子胞子に小さな突起または不明瞭な嘴状突起を有する
本種と異なり担子胞子が顕著な厚壁
本種と異なり担子胞子が非シアノフィリックである
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される