(仮訳)スイス産の印象的な新種Clitopilus chrischonensis
Vizzini, A. et al., 2011. Clitopilus chrischonensis sp. nov. (Agaricales, Entolomataceae), a striking new fungal species from Switzerland. Nova Hedwigia. Available at: http://www.ingentaconnect.com/content/schweiz/novh/2011/00000092/F0020003/art00009 [Accessed July 22, 2014].
【R3-00930】2014/07/23投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

スイスのザンクト・クリショナで多数見出されたClitopilus属菌を、形態学的検討および分子系統解析の結果を基にC. chrischonensisとして新種記載した。
本種は子実体がヒダハタケ型で叢生~群生し、傘が白色で、穀粉臭がなく、長い担子胞子に6-7の縦方向の畝を持ち、子実層シスチジアを持つ点などで特徴づけられた。
本種の記載文、写真、スケッチを掲載し、C. prunulusをはじめとする類似種との相違点について議論した。
Switzerland, Basilea canton, St. Chrischona

(新種)

Clitopilus chrischonensis Musumeci, Vizzini et Contu
語源…クリショナ産の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Clitopilus prunulus(ヒカゲウラベニタケ)
形態的に非常に類似している
ITS、LSU、ITS+LSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり肉に穀粉臭がある
本種と異なりシスチジアを欠く
本種と異なり子実体のどの部分でも菌糸がクレシルブルー非染色性
ITS、LSU、ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Clitopilus cystidiatus
スイスに分布する
ITS、LSU、ITS+LSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘が白色~象牙色ではなく微かに灰色~帯灰黄褐色
本種よりシスチジアがずっと短い
本種と異なり肉に穀粉臭がある
本種より傘表皮の菌糸の幅が広い
本種と異なり傘表皮の菌糸に付着物を伴う
本種と異なり子実体のどの部分でも菌糸がクレシルブルー非染色性
ITS、LSU、ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Clitopilus intermedius
本種より子実体のサイズが小さい
本種と異なり臭いが不明瞭ではなく果物臭
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種よりシスチジアがずっと短い
Clitopilus hobsonii var. cystidiosus
本種と異なりスイスではなくコスタリカに分布する
本種と異なり子実体がヒダハタケ型ではなくヒラタケ型に近い
本種と異なり材に生息する
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子の畝の数が6-7ではなく(6-)7-11
Clitopilus orientalis
本種と異なりスイスではなくマレーシアに分布する
本種と異なり肉に穀粉臭がある
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が楕円状類扁桃形ではなく短楕円形~楕円形
本種と異なり担子胞子の畝の数が6-7ではなく8-11
本種より縁シスチジアが短い
本種と異なり子実体のどの部分でも菌糸がクレシルブルー非染色性
Clitopilus apalus
本種と異なりスイスではなくウガンダ・マレーシア・スリランカに分布する
本種と異なり肉に穀粉臭~石鹸臭がある
本種と異なり担子胞子が楕円状類扁桃形ではなく卵形~非常に短い楕円形
本種と異なり担子胞子の畝の数が6-7ではなく8-11
本種と異なりシスチジアが円筒形・糸形・類紡錘形などではなく円筒形~便腹形
Clitopilus paxilloides
本種と異なり傘が灰緑色を帯びる
本種と異なりシスチジアを欠く
Clitopilus amygdaliformis
本種と異なりスイスではなく日本に分布する
本種と異なり肉に穀粉臭がある
本種と異なり担子胞子が楕円状類扁桃形ではなくレモン形~広扁桃形
本種と異なり担子胞子の畝の数が6-7ではなく5-6
本種と異なりシスチジアを欠く
Clitopilus chalybescens
本種と異なり肉がしばしば帯灰褐色になる
本種と異なり肉に穀粉臭がある
本種より担子胞子のサイズがずっと小さい
本種と異なり担子胞子が楕円状類扁桃形ではなく楕円形
本種と異なりシスチジアを欠く
Clitopilus amarus
本種と異なり傘に中丘を持つ
本種と異なり味が温和ではなく苦い
本種より担子胞子のサイズがずっと小さい
本種と異なり担子胞子が楕円状類扁桃形ではなく扁桃形~菱形
本種と異なりシスチジアを欠く