(仮訳)パキスタン産の新種、Clitopilus cretoalbus
Izhar, A. et al., 2023. Clitopilus cretoalbus sp. nov. (Entolomataceae, Agaricales), a new species from Pakistan. European Journal of Taxonomy. Available at: https://europeanjournaloftaxonomy.eu/index.php/ejt/article/view/2075 [Accessed April 27, 2023] 【R3-10549】2023/4/27投稿

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3行まとめ

パキスタン、パンジャーブ州およびカイバル・パクトゥンクワ州で採集された菌を検討し、Clitopilus cretoalbusとして新種記載した。
本種は傘が白色で襞が垂生し、柄がほぼ中心生~僅かに偏心生であり比較的長く類白色であること、担子胞子に6-9つの畝を有し、縁シスチジアを有することなどで特徴づけられた。
本種は形態的・系統的に近縁な同属他種とは子実体の色や傘・柄のサイズ、担子胞子のサイズや装飾、シスチジアの有無、傘表皮の色や色素結晶の有無などが異なっていた。
Pakistan, Punjab Province, Sheikhupura

(新種)

Clitopilus cretoalbus A.Izhar, Zaman, M.Asif, H.Bashir, Niazi & Khalid
語源…白亜色の(子実体の色から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Clitopilus giovanellae
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくイタリアおよびスペインなどに分布する
本種より子実体のサイズが小さい
本種と異なり子実体が淡灰色~灰黄褐色
本種より柄が僅かに長い
本種より担子胞子のサイズがかなり小さい
本種と異なり担子胞子表面が畝状ではなく平滑
本種と異なりシスチジアを有するのではなく欠く
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Clitopilus scyphoides(タネサシヒメシロウラベニタケ)
子実体の形態が類似している
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくフランス、イギリス、米国などに分布する
本種より傘のサイズが小さい
本種と異なり傘が帯白灰色、淡色、時に帯赤褐色である
本種と異なり柄を欠くことがある
本種と異なり柄がほぼ中心生~僅かに偏心生ではなく偏心側生である
本種と柄の長さが異なる
本種より担子胞子が長い
本種より担子胞子表面に縦方向の隆起を有する
本種と異なりシスチジアを有するのではなく欠く
本種と異なり傘表皮が淡黄色
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Clitopilus kamaka
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくニュージーランドなどに分布する
本種と異なり岩の表面に生息する
本種と異なり柄がほぼ中心生~僅かに偏心生ではなく成熟時側生
本種と異なり担子胞子表面が畝状ではなく平滑
本種と異なりシスチジアを有するのではなく欠く
本種と異なり傘表皮に色素結晶を含まない
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Clitopilus subscyphoides
アジアに分布する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなく中国およびインドなどに分布する
本種より傘のサイズが小さい
本種より柄が短い
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が無色または淡色ではなく無色
本種と異なりシスチジアを有するのではなく欠く
本種と異なり傘表皮が淡黄色
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Clitopilus hobsonii
アジアに分布する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンのみではなく温帯と熱帯の両方に広く分布する
本種と異なり生息環境が植物基質、土壌、岩、シロアリの巣など多様である
本種より傘のサイズが小さい
本種と異なり襞が垂生ではなく上生する
本種と異なり柄がほぼ中心生~僅かに偏心生ではなく成熟時偏心生
本種より担子胞子が僅かに長い
本種と異なりシスチジアを有するのではなく欠く
本種と異なり傘表皮にいかなる結晶物質を含まない
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Clitopilus velutinus
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくドミニカ共和国などに分布する
本種より柄のサイズが大きい
本種と異なり柄がほぼ中心生~僅かに偏心生ではなく偏心生
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり傘表皮が無色
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Clitopilus prunulus(ヒカゲウラベニタケ)
アジアに分布する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくオランダ、イギリス、北米、ロシア、ドミニカ共和国、中国などに分布する
本種より傘のサイズが大きい
本種と異なり傘が淡灰色~橙灰色など多様な色をしている
本種より担子胞子のサイズが概ね大きい
本種と異なりシスチジアを有するのではなく欠く
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Clitopilus bigelowii
形態的に類似している(混同のおそれがある)
本種より傘の直径が小さい
本種と異なり傘が白色ではなく灰色
本種と異なり襞が桃色を帯びた帯灰色
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なりシスチジアを有するのではなく欠く
本種と異なり傘表皮が帯赤褐色
本種と異なり柄表皮が帯黄褐色
本種と異なり柄シスチジアを欠くのではなく有する