(仮訳)ヒエに生じた新種、Colletotrichum echinochloae
Moriwaki, J. & Tsukiboshi, T., 2009. Colletotrichum echinochloae, a new species on Japanese barnyard millet (Echinochloa utilis). Mycoscience. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s10267-009-0485-1 [Accessed April 8, 2017].
【R3-03914】2017/04/09投稿

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3行まとめ

栃木県において葉枯病を発現したヒエから分離された菌を検討し、Colletotrichum echinochloaeとして新種記載した。
本種は当初広義のC. graminicolaと同定されたが、分生子のサイズおよび形状、培養性状、病原性などが明らかに異なっていた。
本種は分生子が短い鎌形であることなどで特徴づけられ、接種試験ではヒエに対する特異性が示され、分子系統解析では単系統群を形成した。
栃木県那須塩原市千本松

(新種)

Colletotrichum echinochloae Moriwaki & Tsukib.
語源…ヒエ属の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Colletotrichum graminicola
同じイネ科植物を宿主とする
形態的に類似している(当初広義のこの種に同定された)
ITS、HMG、SOD2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国などにおける分布が知られている
本種と異なりヒエ属ではなくトウモロコシ属植物などを宿主とする
本種より分生子が長い
本種より分生子のQ値が大きい
本種と異なり分生子が鎌形、紡錘形で頂部が強く屈曲するのではなく鎌形、紡錘形で両端に向かって徐々に先細りになる
本種より付着器のサイズが大きい
本種と異なりコロニーが無色ではなく灰色または暗褐色
本種よりPDA培地での生長が速い
本種と異なりPDA培地で菌核を形成する
本種と異なり最適生長温度が25-28°Cではなく28°C
本種と異なり生長可能温度範囲が5-30°Cではなく15-35°C
ITS、HMG、SOD2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Colletotrichum caudatum
日本に分布する
同じイネ科植物を宿主とする
ITS、HMG、SOD2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヒエ属植物ではなくコウライシバなどを宿主とする
ITS、HMG、SOD2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Colletotrichum falcatum
日本に分布する
同じイネ科植物を宿主とする
ITS、HMG、SOD2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヒエ属ではなくサトウキビ属植物などを宿主とする
ITS、HMG、SOD2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Colletotrichum sublineolum
日本に分布する
同じイネ科植物を宿主とする
付着器のサイズの範囲が重なる
ITS、HMG、SOD2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヒエ属ではなくモロコシ属植物などを宿主とする
本種と異なり分生子が鎌形、紡錘形で頂部が強く屈曲するのではなく鎌形、紡錘形で両端に向かって徐々に先細りになる
本種と異なり付着器がセピア色~暗褐色ではなく褐色
本種と異なり付着器が不規則形
本種と異なりコロニーが無色ではなく灰色の気生菌糸を生じる
ITS、HMG、SOD2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Colletotrichum cereale
分生子のサイズの範囲が重なる
分生子塊が橙色
本種より分生子のサイズの範囲が広い
本種と異なり分生子が鎌形、紡錘形で頂部が強く屈曲するのではなく鎌形、紡錘形で先端が尖る
本種より付着器の最大長が短い
本種と異なり付着器がセピア色~暗褐色ではなく暗褐色~黒色
本種と異なり付着器が球形、卵形、棍棒形で僅かに浅裂するのではなく不規則形または浅裂する
本種と異なりコロニーが無色ではなく灰色