(仮訳)草本を宿主とし屈曲した分生子を有するColletotrichum属菌
Damm, U. et al., 2009. Colletotrichum species with curved conidia from herbaceous hosts. Fungal Diversity. Available at: http://www.fungaldiversity.org/fdp/sfdp/FD39-3.pdf [Accessed September 7, 2017].
【R3-04377】2017/09/09投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

炭疽病の病原菌として重要であるが生きた菌株のないColletotrichum属の基準種C. lineolaを再度採集し、エピタイプ標本を選定した。
複数遺伝子に基づく分子系統解析により、本種を含む屈曲した分生子を有する菌群に20クレードを認め、C. anthrisciなど4新種を記載した。
また、2新組み合わせを提唱し、C. truncatumなど4種のエピタイプ標本を選定した。
Netherlands, Utrecht

(新種)

Colletotrichum anthrisci Damm, P.F. Cannon & Crous
語源…シャク属の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Colletotrichum lineola
オランダに分布する
同じシャク属植物を宿主とする
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード3に含まれる)
本種と異なりチェコ、ジンバブエ、カナダ、ドイツ、米国などにおける分布が知られている
本種と異なりハナウド属、Astrantia属植物などが宿主として知られている
本種と異なり分生子の先端が非常に尖るという特徴を欠く
本種より付着器の形態が複雑
本種と異なり剛毛の基部が狭窄するという特徴を欠く
本種と異なりコロニーが肉桂色ではなく赤色
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Mexico

(新種)

Colletotrichum liriopes Damm, P.F. Cannon & Crous
語源…ヤブラン属の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Colletotrichum tofieldiae
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
本種と異なりメキシコではなくスイス、ドイツなどに分布する
本種と異なりヤブラン属ではなくチシマゼキショウ属、Lupinus属植物などを宿主とする
本種と異なり分生子形成細胞が強く膨大するという特徴を欠く
本種より分生子のサイズが小さい
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Colletotrichum lilii
付着器の輪郭が複雑
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
本種と異なりメキシコではなく日本、オランダなどに分布する
本種と異なりヤブラン属ではなくユリ属植物などを宿主とする
本種と異なり分生子形成細胞が強く膨大するという特徴を欠く
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Italy

(新種)

Colletotrichum rusci Damm, P.F. Cannon & Crous
語源…ナギイカダ属の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Colletotrichum erumpens
同じナギイカダ属植物を宿主とする
本種と異なりイタリアではなくフランスなどに分布する
本種と異なり分生子形成細胞が有色ではなく無色で基部が褐色
本種と異なり分生子形成細胞が円筒形~長アンプル形ではなく円錐形
本種より分生子のサイズが大きい
Colletotrichum trichellum
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード2に含まれる)
本種と異なりイタリアではなくグアテマラ、イギリス、ドイツ、オランダ、ニュージーランド、カナダなどにおける分布が知られている
本種と異なりナギイカダ属ではなくキヅタ属植物などを宿主とする
本種より分生子が長い
本種より分生子の幅が狭い
本種と異なり分生子表面が平滑でない
本種と異なり分生子のへそが顕著でない
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Zimbabwe

(新種)

Colletotrichum verruculosum Damm, P.F. Cannon & Crous
語源…小疣状の(分生子表面の性状から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Colletotrichum lilii
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
本種と異なりジンバブエではなく日本、オランダなどに分布する
本種と異なりCrotalaria junceaではなくユリ属植物などを宿主とする
本種と異なり分生子表面が小疣状という特徴を欠く
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Colletotrichum truncatum
同じタヌキマメ属植物を宿主とする
本種と異なりジンバブエではなく米国、ブラジルなどに分布する
本種と異なりインゲンマメ属、ダイズ属植物などが宿主として知られている
本種より分生子が長い
本種と分生子の形状が異なる
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレード1ではなく6に含まれる)
Colletotrichum gangeticum
同じタヌキマメ属植物を宿主とする
本種と異なりジンバブエではなくインドなどに分布する
本種と異なり分生子がごく小型
本種と異なり分生子の末端が尖る
本種と異なり剛毛が暗褐色
本種と異なり剛毛の先端が丸いのではなく先端まで幅広い
Colletotrichum coccodes
同じタヌキマメ属植物を宿主とする
本種と異なりジンバブエではなくスリランカなどに分布する
本種と異なり分生子が屈曲するのではなく直線状
Colletotrichum tofieldiae
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
本種と異なりジンバブエではなくスイス、ドイツなどに分布する
本種と異なりCrotalaria junceaではなくチシマゼキショウ属、Lupinus属植物などを宿主とする
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Colletotrichum chlorophyti S. Chandra & Tandon
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Colletotrichum phaseolorum
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード5に含まれる)
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Serbia, Novi Sad

(その他掲載種)

Colletotrichum circinans (Berk.) Voglino
※本種のエピタイプ標本を指定した。
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Colletotrichum spinaciae
温帯域に分布する
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード4に含まれる)
本種と異なり主にヒユ科植物と関係を持つとみられる
本種と異なり分生子が截断状の基部に向けて強く屈曲し先端が尖るのではなく、丸いか截断状の基部に向かって徐々に屈曲し先端が丸い
本種と異なり剛毛が暗褐色ではなくしばしば淡褐色で先端や基部が淡色になる
本種と異なり剛毛がしばしば狭窄し、その上が膨大するのではなく、円筒形または円錐形
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Colletotrichum fructi
本種と異なり分生子が僅かに角張る
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレード3ではなく4に含まれる)
India, Maharashtra, Warora

(その他掲載種)

Colletotrichum curcumae (Syd. & P. Syd.) E.J. Butler & Bisby
※本種のエピタイプ標本を指定した。
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Colletotrichum truncatum
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード6に含まれる)
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
France

(その他掲載種)

Colletotrichum dematium (Pers.) Grove
※本種のエピタイプ標本およびレクトタイプ標本を指定した。
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Colletotrichum lineola
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード3に含まれる)
本種と異なり分生子層が宿主表面に不規則な集まりをなすのではなく線または列状に配列する
本種と異なり分生子層が大型ではなく小型
本種と異なり培養下で赤色色素を産生する
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Colletotrichum fructi
分生子の形状が類似している
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード3に含まれる)
本種より生長が遅い
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
USA, Rhode Island, Kingston

(その他掲載種)

Colletotrichum fructi (F. Stevens & J.G. Hall) Sacc.
※本種のエピタイプ標本を指定した。
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Colletotrichum circinans
本種と異なり分生子が僅かに角張るという特徴を欠く
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレード3ではなく4に含まれる)
Colletotrichum dematium
分生子の形状が類似している
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード3に含まれる)
本種より生長が速い
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Colletotrichum lilii Plakidas ex Boerema & Hamers
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Colletotrichum spaethianum
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Colletotrichum verruculosum
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
本種と異なり日本、オランダなどではなくジンバブエに分布する
本種と異なりユリ属植物などではなくCrotalaria junceaを宿主とする
本種と異なり分生子表面が小疣状
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Colletotrichum liriopes
付着器の輪郭が複雑
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
本種と異なり日本、オランダなどではなくメキシコに分布する
本種と異なりユリ属植物などではなくヤブラン属を宿主とする
本種と異なり分生子形成細胞が強く膨大する
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Czech Republic, Central Bohemia, Lazne Tousen (ca 25 km E of Prague), left bank of river Labe

(その他掲載種)

Colletotrichum lineola Corda
※本種のエピタイプ標本を指定した。
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Colletotrichum dematium
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード3に含まれる)
本種と異なり分生子層が線または列状に配列するのではなく宿主表面に不規則な集まりをなす
本種と異なり分生子層が小型ではなく大型
本種と異なり培養下で赤色色素を産生しない
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Colletotrichum anthrisci
オランダに分布する
同じシャク属植物を宿主とする
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード3に含まれる)
本種と異なりチェコ、ジンバブエ、カナダ、ドイツ、米国などにおける分布が知られていない
本種と異なりハナウド属、Astrantia属植物などが宿主として知られていない
本種と異なり分生子の先端が非常に尖る
本種ほど付着器の形態が複雑でない
本種と異なり剛毛の基部が狭窄する
本種と異なりコロニーが赤色ではなく肉桂色
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Colletotrichum phaseolorum S. Takim.
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Colletotrichum chlorophyti
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード5に含まれる)
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Germany, Berlin-Zehlendorf

(新組み合わせ)

Colletotrichum spaethianum (Allesch.) Damm, P.F. Cannon & Crous
旧名:Vermicularia spaethiana Allesch.
※本種のエピタイプ標本を指定した。
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Colletotrichum omnivorum
同じワスレグサ属植物を宿主とする
本種より分生子がずっと長い
Colletotrichum lilii
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Colletotrichum spinaciae Ellis & Halst.
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Colletotrichum circinans
温帯域に分布する
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード4に含まれる)
本種と異なり主にヒユ科植物ではなく別の植物と関係を持つとみられる
本種と異なり分生子が丸いか截断状の基部に向かって徐々に屈曲し先端が丸いのではなく截断状の基部に向けて強く屈曲し先端が尖る
本種と異なり剛毛がしばしば淡褐色で先端や基部が淡色になるのではなく暗褐色
本種と異なり剛毛が円筒形または円錐形ではなくしばしば狭窄し、その上が膨大する
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Colletotrichum tofieldiae (Pat.) Damm, P.F. Cannon & Crous
旧名:Vermicularia tofieldiae Pat.
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Colletotrichum liliopes
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
本種と異なりスイス、ドイツなどではなくメキシコに分布する
本種と異なりチシマゼキショウ属、Lupinus属ではなくヤブラン属植物などを宿主とする
本種と異なり分生子形成細胞が強く膨大する
本種より分生子のサイズが大きい
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Colletotrichum verruculosum
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
本種と異なりスイス、ドイツなどではなくジンバブエに分布する
本種と異なりチシマゼキショウ属、Lupinus属植物などではなくCrotalaria junceaを宿主とする
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
USA, Pennsylvania, Bethlehem

(その他掲載種)

Colletotrichum truncatum (Schwein.) Andrus & W.D. Moore
※本種のエピタイプ標本を指定した。
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Colletotrichum curcumae
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード6に含まれる)
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Colletotrichum truncatum
同じタヌキマメ属植物を宿主とする
本種と異なり米国、ブラジルなどではなくジンバブエに分布する
本種と異なりインゲンマメ属、ダイズ属植物などが宿主として知られていない
本種より分生子が短い
本種と分生子の形状が異なる
ITS+ACT+Tub2+CHS-1+GAPDH+HIS3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレード6ではなく1に含まれる)