(仮訳)ロシア産キクラゲ属菌の研究
Malysheva, VF. & Bulakh, EM., 2014. Contribution to the study of the genus Auricularia (Auriculariales, Basidiomycota) in Russia. Novosti Sistematiki Nizshikh Rastenii. Available at: http://www.binran.ru/files/journals/NSNR/2014_48/NSNR_2014_48_Malysheva_Bulakh.pdf [Accessed January 25, 2015].
【R3-01498】2015/01/25投稿

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3行まとめ

ロシア産のキクラゲ属菌を検討し、7種(未記載種1種を含む)を認めた。
うち1種をA. villosulaとして新種記載するとともに、ロシア産キクラゲ属菌の検索表を掲載した。
Auricularia auricula-judaeはヨーロッパ・ロシアのみから見出され、極東からは形態的に類似するA. americanaが見出された。

※本論文ではLooney et al. (2013)(R3-00042) で暫定的に「クレードII」と呼ばれていた系統(中国および日本産の「キクラゲ」)を検討した。当該系統は髄層の有無(不安定な形質と見なされた)のほかにAuricularia auricula-judaeA. americanaとの形態的差異が見出されなかったため、新種記載が控えられた。
→同年、Wu et al. (2014)(R3-01496)Auricularia heimuerとして新種記載された。

Russia, Far East, Primorye Territory, Shkotovsky district, Bolshoy Kamen vicinities

(新種)

Auricularia villosula Malysheva
語源…軟毛のある(子実体表面の性状から)
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【よく似た種との区別】
Auricularia minor
ロシアに分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より担子胞子が短い
本種と異なり髄層を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Auricularia cornea
ロシアに分布する
ITSおよびRPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体の外皮が粉状~ビロード状ではなく粗長毛に覆われる
本種より子実層背面の毛が長い
ITSおよびRPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Auricularia auricula-judae
ロシアに分布する
形態的に類似している
髄層を欠く
ITSおよびRPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種より子実層背面の毛が長い
ITSおよびRPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Auricularia americana
ロシアに分布する
形態的に類似している
髄層を欠く
ITSおよびRPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種より子実層背面の毛が長い
ITSおよびRPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Auricularia mesenterica (Dicks.) Pers.
ヒダキクラゲ
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(その他掲載種)

Auricularia cornea Ehrenb.
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【よく似た種との区別】
Auricularia nigricans(アラゲキクラゲ)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より子実体表面が長軟毛に覆われる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Auricularia villosula
ロシアに分布する
ITSおよびRPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体の外皮が粗長毛に覆われるのではなく粉状~ビロード状
本種より子実層背面の毛が短い
ITSおよびRPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Auricularia minor Kobayasi
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【よく似た種との区別】
Auricularia villosula
ロシアに分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より担子胞子が長い
本種と異なり髄層を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Auricularia americana Parmasto & I. Parmasto
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【よく似た種との区別】
Auricularia auricula-judae
ロシアに分布する
髄層を欠くかほとんど分化しない
本種と異なりロシアにおいて極東地域ではなくヨーロッパ・ロシアに分布する
本種と異なり針葉樹ではなく落葉樹を宿主とする
本種より担子胞子のサイズが僅かに大きい
Auricularia villosula
ロシアに分布する
形態的に類似している
髄層を欠く
ITSおよびRPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種より子実層背面の毛が短い
ITSおよびRPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Auricularia auricula-judae (Bull.) Quél.
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【よく似た種との区別】
Auricularia americana
ロシアに分布する
髄層を欠くかほとんど分化しない
本種と異なりロシアにおいてヨーロッパ・ロシアではなく極東地域に分布する
本種と異なり落葉樹ではなく針葉樹を宿主とする
本種より担子胞子のサイズが僅かに小さい
Auricularia villosula
ロシアに分布する
形態的に類似している
髄層を欠く
ITSおよびRPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種より子実層背面の毛が短い
ITSおよびRPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

※この他、1種の未記載種を掲載した。