(仮訳)南半球のプランテーションおよび天然林に産するハラタケ類のアンモニア菌の新種、Coprinopsis austrophlyctidospora
Fukiharu, T., et al., 2011. Coprinopsis austrophlyctidospora sp. nov., an agaric ammonia fungus from Southern Hemisphere plantations and natural forests. Mycoscience. Available at: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1340354011701188 [Accessed March 16, 2014].
【R3-00510】2014/03/16投稿

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3行まとめ

ニュージーランドおよびオーストラリアの林内で尿素施与により発生したアンモニア菌を、Coprinopsis austrophlyctidosporaとして新種記載した。
本種は北半球のC. phlyctidosporaに類似しており、かつては同種として捉えられていた。
両種は分子系統解析および交配試験で判別できることが知られていたが、本論文では担子胞子の形質の違いから、形態的にも区別されることが明らかになった。
Kaimanawa State Forest Park, Taupo, North Island, New Zealand

(新種)

Coprinopsis austrophlyctidospora Fukiharu
語源…南のCoprinopsis phlyctidospora(南半球に分布することから)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Coprinopsis phlyctidospora(ザラミノヒトヨタケ)
Coprinus属のAlachuani亜節に相当する
形態的に非常に類似している
担子胞子に疣状装飾を持つ
子実体と菌糸体の両方にクランプを持つ(Orton and Watling, 1979の報告と異なる)
本種と異なり南半球ではなく北半球に分布する
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より担子胞子が顕微鏡下で暗褐色に見える
本種より担子胞子が長楕円形に近い
本種より担子胞子の疣状装飾が粗く、発芽孔を囲むより顕著な疣を持つ
本種ほど担子胞子のプラージュが顕著でないことがある
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (Suzuki et al., 2002)
交配試験で明瞭に区別され (Suzuki et al., 2002)
Coprinopsis echinospora
Coprinus属のAlachuani亜節に相当する
担子胞子に疣状装飾を持つ
本種と異なり担子胞子が卵形~楕円形ではなく扁桃形
本種と異なり傘の被膜に二型の菌糸を持つ
Coprinopsis rugosobispora
Coprinus属のAlachuani亜節に相当する
担子胞子に疣状装飾を持つ
本種と異なり担子器が4胞子性ではなく2胞子性
Coprinopsis karwinicola
オーストラリア南部に分布する
担子胞子に疣状装飾を持つ
本種と異なりアンモニア菌でない
本種と異なりススキノキ属植物の枯死した組織に発生する
本種より子実体のサイズが大きい(傘が直径62 mmに達する)
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり縁シスチジアを欠く