(仮訳)パキスタン北部低地に産したヒトヨタケ型の新種、Coprinopsis hispida
Hussain, S. et al., 2021. Coprinopsis hispida: a new coprinoid species from lowland Northern Pakistan. Nordic Journal of Botany. Available at: https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/njb.03187 [Accessed August 30, 2021] 【R3-08734】2021/8/29投稿

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3行まとめ

パキスタン、カイバル・パクトゥンクワ州においてMorus nigra樹下の落葉に生じた菌を検討し、Coprinopsis hispidaとして新種記載した。
本種はAlopeciae節に含まれ、傘が扁平~凸形で銀白色の繊維に覆われ、担子胞子が暗褐色扁桃形~楕円形平滑で中心に発芽孔を有することなどで特徴づけられた。
本報告によりパキスタン産のCoprinopsis属菌は6種に増加した。
Pakistan, Khyber Pakhtunkhwa, Malakand, Dargai, Qaldara

(新種)

Coprinopsis hispida S. Hussain & Afshan
語源…剛毛状の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Coprinopsis alopecia
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じAlopeciae節クレードに含まれる)
本種と異なりパキスタンではなくチュニジア、ハンガリーなどに分布する
本種より子実体のサイズが比較的大きい
本種より傘のサイズが大きい
本種より柄のサイズが大きい
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子表面が平滑ではなく疣状
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Coprinopsis fusispora
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じAlopeciae節クレードに含まれる)
本種と異なりパキスタンではなくハンガリーなどに分布する
本種と異なり傘が扁平~凸形ではなく扁平凸形~凸形
本種と異なり傘表面が羊毛状~繊維状の被膜に覆われるが間もなく消失して帯褐色の繊維のみを中央部に残す
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子が扁桃形~広楕円形ではなく広紡錘形または類僧帽形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Coprinopsis rugosomagnispora
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じAlopeciae節クレードに含まれる)
本種と異なりパキスタンではなくポーランドなどに分布する
本種と異なり子実体が小型
本種と異なり子実体表面の被膜が小粒状で鱗片状、円錐形~乳首形の疣をなす
本種より担子胞子のサイズがかなり大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Coprinopsis cinerea(ウシグソヒトヨタケ)
形態的に類似している(伝統的な種概念では別種としないだろうと思われる)
本種と異なり担子胞子が扁桃形~広楕円形ではなく楕円形で頂部が鈍頭
本種と系統的に異なる