2018年12月31日 (仮訳)ヨーロッパ産のCortinarius sanguineusおよび同じく赤色の種、特に北欧産標本について Niskanen, T. et al., 2012. Cortinarius sanguineus and equally red species in Europe with an emphasis on northern European material. Mycologia. Available at: https://doi.org/10.3852/11-137 [Accessed December 31, 2018] 【R3-05815】2018/12/31投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ ヨーロッパ産のフウセンタケ属Dermocybe亜属の約360標本およびタイプ標本などについて形態学的検討および分子系統解析を実施した。 Cortinarius sanguineus、C. puniceus、および新組み合わせC. vitiosusの3種を認めた。 Sanguinei節が多系統群であることを示し、3種のみを本節に含めた。 (その他掲載種) Cortinarius sanguineus (Wulfen) Gray アカタケ 【よく似た種との区別】 Cortinarius puniceus ヨーロッパに分布する 襞実質菌糸がKOH中でアニリンレッド 傘表皮菌糸がKOH中でアニリンレッド ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり亜寒帯の山地ではなく温帯に分布する 本種と異なりトウヒ林ではなく広葉樹林に発生する 本種と異なり傘が時に褐色を帯びる 本種と異なりクモの巣膜が黄褐色~黄金褐色ではなく暗赤色 本種より柄肉が強く帯紫赤色に着色する 本種と異なり菌糸体が帯赤黄色ではなくばら黄褐色~淡い帯紫色 本種より担子胞子の幅が狭い 本種より担子胞子のQ値が大きい 本種と異なり傘表皮の菌糸に斑点状の結晶を伴う ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cortinarius vitiosus 同所的に分布する(ヨーロッパ) 同時に発生することがある ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種よりやや乾燥した土壌にしばしば生じる 本種より酸性の土壌にしばしば生じる 本種と異なり傘が暗赤色~暗い帯赤褐色 本種と異なり傘にしばしば環紋を生じる 本種より柄肉の中心部が淡色 本種と異なり菌糸体が帯赤黄色ではなく淡赤色 本種と異なり子実体の臭いが杉材状ではなくヨウ素臭 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり襞実質の菌糸に結晶を伴う 本種と異なり傘表皮がKOH中で顕著なアニリンレッドなのではなく橙赤色~ややアニリンレッド 本種と異なり傘表皮の菌糸に結晶を伴う ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cortinarius fervidus ヨーロッパに分布する 形態的に類似している(混同のおそれがある) 子実体が赤色系 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり傘が乾燥時赤褐色~暗い帯赤褐色 本種と異なり柄が乾燥時弱い赤色~黒ずんだ赤色ではなく帯黄赤色、褐色、暗褐色 本種より担子胞子のサイズがやや小さい 本種ほど担子胞子がデキストリノイドでない 本種と異なり襞実質の菌糸がKOH中で橙赤色 本種と異なり傘表皮がKOH中で橙赤色 本種と異なり傘表皮がKOH中で帯青紫色の小粒を含む 本種と異なり傘表皮の一番上の菌糸に縞模様の結晶を有する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Cortinarius puniceus P.D. Orton 【よく似た種との区別】 Cortinarius sanguineus(アカタケ) ヨーロッパに分布する 襞実質菌糸がKOH中でアニリンレッド 傘表皮菌糸がKOH中でアニリンレッド ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり温帯ではなく亜寒帯の山地に分布する 本種と異なり広葉樹林ではなくトウヒ林に発生する 本種と異なり傘が時に褐色を帯びるという特徴を欠く 本種と異なりクモの巣膜が暗赤色ではなく黄褐色~黄金褐色 本種ほど柄肉が強く帯紫赤色に着色しない 本種と異なり菌糸体がばら黄褐色~淡い帯紫色ではなく帯赤黄色 本種より担子胞子の幅が広い 本種より担子胞子のQ値が小さい 本種と異なり傘表皮の菌糸に斑点状の結晶を伴うという特徴を欠く ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Cortinarius vitiosus (M.M. Moser) Niskanen, Kytöv., Liimatainen & S. Laine 旧名:Dermocybe sanguinea var. vitiosa M.M. Moser 【よく似た種との区別】 Cortinarius sanguineus(アカタケ) 同所的に分布する(ヨーロッパ) 同時に発生することがある ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種ほど乾燥した土壌に生じない 本種ほど酸性の土壌に生じない 本種と異なり傘が暗赤色~暗い帯赤褐色という特徴を欠く 本種と異なり傘にしばしば環紋を生じるという特徴を欠く 本種より柄肉の中心部が濃色 本種と異なり菌糸体が淡赤色ではなく帯赤黄色 本種と異なり子実体の臭いがヨウ素臭ではなく杉材状 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり襞実質の菌糸に結晶を伴うという特徴を欠く 本種と異なり傘表皮がKOH中で橙赤色~ややアニリンレッドではなく顕著なアニリンレッド 本種と異なり傘表皮の菌糸に結晶を伴わない ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cortinarius phoeniceus(アカササタケ) ヨーロッパに分布する 子実体が赤色系 顕微鏡的形質が類似している 襞実質菌糸がKOH中でいくぶんアニリンレッド ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種より子実体ががっしりとしている 本種と異なり傘が赤褐色 本種と異なり柄が淡い帯黄色 本種と異なりつばが血赤色 本種より担子胞子のサイズが僅かに大きい 本種と異なり担子胞子が扁桃形~楕円形ではなく扁桃形 本種と異なり担子胞子表面が疣状ではなく微細な疣状 本種と異なり襞実質の菌糸に斑点状の結晶を伴うのではなく結晶を伴わないか本種ほど伴わない 本種と異なり傘表皮菌糸がKOH中で橙赤色で所々帯青紫色 本種と異なり傘表皮菌糸に帯青紫色の小粒を伴う ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cortinarius fervidus ヨーロッパに分布する 形態的に類似している(乾燥標本が完全に赤色になると識別困難なほど類似している) 傘が帯赤褐色 柄が帯黄色 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種より担子胞子の幅がやや狭い 本種より担子胞子のQ値がやや大きい 本種ほど傘表皮菌糸に結晶を伴わない ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される