(仮訳)世界中の寒冷環境から分離された新種Cryptococcus vaughanmartiniaeおよびCryptococcus onofrii
Turchetti, B. et al., 2014. Cryptococcus vaughanmartiniae sp. nov. and Cryptococcus onofrii sp. nov.: two new species isolated from worldwide cold environments. Extremophiles. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s00792-014-0692-3 [Accessed December 11, 2014].
【R3-01362】2014/12/11投稿

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3行まとめ

世界各地の氷河などの寒冷環境から分離された酵母を検討し、Cryptococcus vaughanmartiniaeおよびC. onofriiの2種を新種記載した。
両種は広範な炭素源および窒素源を資化可能で、30°Cで生育不能である一方、4°Cで生育可能な冷温耐性を有していた。
両種は分子系統解析でフィロバシディウム目のalbidusクレードに含まれることが示された。
Sforzellina glacier, Ortles-Cevedale complex, Alps, Italy

(新種)

Cryptococcus vaughanmartiniae Turchetti, Blanchette and Arenz
語源…イタリアの酵母学者、Ann Vaughan-Martiniに献名
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【よく似た種との区別】
Cryptococcus onofrii
同所的に分布する(アルプス山脈、モンブラン)
寒冷環境から分離される
冷温耐性を有する(4°Cで生育可能)
30°Cで生育不能
細胞外にデンプン様の多糖類を産生する
広範な炭素源および窒素源を資化可能
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じalbidusクレードに含まれる)
本種と異なり莢膜を形成する
本種と異なりD-リボース、ラクトース、ラフィノース、グリセロール、リビトール、myo-イノシトール、グルコノ-δ-ラクトンを資化可能(ただし本種も資化可能な場合がある)
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(8塩基置換、配列類似度98%、9塩基の挿入配列を有する)
Cryptococcus friedmannii
30°Cで生育不能
D1/D2領域の塩基配列が100%一致する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じalbidusクレードに含まれる)
本種と異なりD-ガラクトース、D-リボース、D-アラビノース、L-ラムノース、キシリトール、D-グルシトール、マンニトール、エタノール、エチルアミンを資化不能
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(配列類似度96%、9塩基の挿入配列を有する)
Cryptococcus saitoi
D1/D2領域の塩基配列が99%一致する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じalbidusクレードに含まれる)
本種と異なりクエン酸、L-リンゴ酸を資化可能
本種と異なりD-アラビノースを資化不能
本種と異なり30°Cで生育可能
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(配列類似度97%)
Miage glacier, Mount Blanc, Alps, Italy

(新種)

Cryptococcus onofrii Turchetti, Selbmann & Zucconi
語源…イタリアの菌学者、Silvano Onofriに献名
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【よく似た種との区別】
Cryptococcus vaughanmartiniae
同所的に分布する(アルプス山脈、モンブラン)
寒冷環境から分離される
冷温耐性を有する(4°Cで生育可能)
30°Cで生育不能
細胞外にデンプン様の多糖類を産生する
広範な炭素源および窒素源を資化可能
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じalbidusクレードに含まれる)
本種と異なり莢膜を形成しない
本種と異なりD-リボース、ラクトース、ラフィノース、グリセロール、リビトール、myo-イノシトール、グルコノ-δ-ラクトンを資化不能な場合がある
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(8塩基置換、配列類似度98%、9塩基の挿入配列を欠く)
Cryptococcus friedmannii
30°Cで生育不能
D1/D2領域の塩基配列が100%一致する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じalbidusクレードに含まれる、9塩基の挿入配列を有する)
本種と異なりD-ガラクトース、D-アラビノース、L-ラムノース、ラクトース、ラフィノース、グリセロール、キシリトール、D-グルシトール、マンニトール、myo-イノシトール、エタノール、エチルアミンを資化不能
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(5塩基置換、配列類似度99%)
Cryptococcus saitoi
D1/D2領域の塩基配列が99%一致する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じalbidusクレードに含まれる、9塩基の挿入配列を有する)
本種と異なりクエン酸、L-リンゴ酸を資化可能
本種と異なりD-アラビノースを資化不能
本種と異なり30°Cで生育可能
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される