2014年6月10日 (仮訳)ほとんど忘れ去られた種、Spongipellis litschaueriの境界と属内での分類学的位置 Tomšovský, M., 2012. Delimitation of an almost forgotten species Spongipellis litschaueri (Polyporales, Basidiomycota) and its taxonomic position within the genus. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-011-0756-z [Accessed June 10, 2014]. 【R3-00796】2014/06/10投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 1931年に記載され、その後しばしばSpongipellis delectansのシノニムとされてきたS. litschaueriの分類学的位置を検討した。 担子胞子のサイズとDNAの塩基配列に基づき、S. litschaueriとS. delectansが別種であることが確かめられた。 また、本属が多系統群であること、S. unicolorが2分類群からなる可能性、Tyromyces fissilisがどの属の系統にも含まれないことなどを指摘した。 (その他掲載種) Spongipellis litschaueri Lohwag 【よく似た種との区別】 Spongipellis delectans ヨーロッパに分布する 形態的に類似している(しばしば本種がこの種のシノニムとされてきた) ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりコナラ属植物の生木および枯れ木ではなく主に枯れたブナ属植物に発生する 本種と異なり子実体が傘状でなく通常背着生~半背着生 本種より子実体が薄い 本種より孔口が不規則 本種より担子胞子の平均サイズが小さい 本種より担子胞子のQ値の平均値が小さい ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Spongipellis unicolor コナラ属植物を宿主とする ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりヨーロッパではなく米国に分布する 本種と担子胞子のサイズが異なる(米国西部産のものは本種より大きく、米国東部産のものは本種より小さい) ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ただし、本種と塩基配列がほぼ一致するアリゾナ州産の標本が確認されている) Spongipellis spumeus ヨーロッパに分布する コナラ属植物を宿主とする 子実体が傘状 本種と異なりコナラ属樹木に偏って発生するのではなく、様々な基質に発生する 本種より孔口のサイズが比較的小さい 本種と異なり孔口の形状が規則的~ホウロクタケ型でなく規則的 本種より担子胞子のサイズが短い(平均の長さが7 μm以下) 本種より肉の菌糸がいくぶん薄壁 ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される