(仮訳)インド産の腐生性海生菌の新種Deniquelata vittalii、およびインド東海岸のマズーペット・マングローブにおける海生菌2新産種
Devadatha, B. et al., 2018. Deniquelata vittalii sp. nov., a novel Indian saprobic marine fungus on Suaeda monoica and two new records of marine fungi from Muthupet mangroves, East coast of India. Mycosphere. Available at: https://doi.org/10.5943/mycosphere/9/3/8 [Accessed September 4, 2018].
【R3-05466】2018/9/6投稿

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3行まとめ

インドのマングローブ林においてSuaeda monoicaの腐朽材に発生した海生菌の一種を検討し、Deniquelata vittaliiとして新種記載した。
本報告はDeniquelata属菌の海生菌としての初報告となった。
また、同所からFarasanispora avicenniaeおよびHysterium rhizophoraeをインド新産種として報告し、両種の新宿主を記録した。
India, Tamil Nadu, Tiruvarur, Muthupet mangroves

(新種)

Deniquelata vittalii Devadatha, V.V Sarma, E.B.G Jones
語源…インドの菌学者、B.P.R. Vittal元教授に献名
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【よく似た種との区別】
Deniquelata barringtoniae
子嚢果が球形~類球形
子嚢果に短い乳頭突起を有する
子嚢果の孔口が窪む
子嚢の柄が短い
子嚢の柄が叉状
子嚢胞子が直線状または僅かに屈曲する長楕円形
子嚢胞子が石垣状
子嚢胞子表面が小疣状
nrLSU+nrSSU+ITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり海生菌ではなく陸地に生息する
本種と異なり腐生菌ではなく寄生菌として知られている
本種と異なりSuaeda monoicaではなくBarringtonia asiaticaを宿主とする
本種と異なり宿主の幹ではなく葉に発生する
本種より子嚢果のサイズが小さい
本種より子嚢のサイズが小さい
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり子嚢胞子が黄金色~暗褐色ではなく帯赤褐色~暗い帯黄褐色
本種と異なり子嚢胞子の横隔壁数が3-6ではなく3
本種より子嚢果の殻壁が薄い
nrLSU+nrSSU+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Bimuria novae-zelandiae
腐生菌である
子嚢果が散生する
子嚢果が半埋生する
子嚢果が類球形
子嚢胞子が石垣状
子嚢胞子表面が小疣状
nrLSU+nrSSU+ITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり海生菌ではなく陸地に生息する
本種より子嚢果の乳頭突起が長い
本種と異なり子嚢果の孔口が窪むという特徴を欠く
本種と異なり子嚢が8胞子性ではなく2-3胞子性
本種と異なり子嚢の柄が叉状ではなく小結節状
本種より子嚢胞子のサイズが比較的大きい
本種と異なり子嚢胞子の横隔壁数が3-6ではなく5-7
本種と異なり子嚢胞子に縦隔壁を欠く
nrLSU+nrSSU+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(インド新産種)

Farasanispora avicenniae Abdel-Wahab, Bahkali & E.B.G. Jones
Suaeda monoicaを本種の新宿主として報告した。
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【よく似た種との区別】
Halomassarina thalassiae
形態形質が類似している
本種より子嚢果のサイズが大きい
本種と異なり子嚢果に乳頭突起を有する
本種と異なり子嚢果に盾状子座を有する
本種と異なり子嚢果に孔口周糸を有する
本種と異なり”senescent”の子嚢胞子を有する
本種と異なり子嚢胞子が顕著なゼラチン質の鞘に包まれる
Aegeanispora elanii
nrLSU+nrSSU+TEF1+ITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
nrLSU+nrSSU+TEF1+ITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(インド新産種)

Hysterium rhizophorae Dayar. & K.D. Hyde
Aegiceras corniculatumを本種の新宿主として報告した。
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