2020年4月8日 (仮訳)Lactarius属Deliciosi節のアジア産代表種の記載および分類 Nuytinck, J., Wang, X-H. & Verbeken, A. 2006. Descriptions and taxonomy of the Asian representatives of Lactarius sect. Deliciosi. Fungal Diversity. Available at: http://www.fungaldiversity.org/fdp/sfdp/22-9.pdf [Accessed April 7, 2020] 【R3-07208】2020/4/8投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ アジア産のLactarius属Deliciosi節9種について記載文を掲載し、これらの種を含む分子系統解析を実施した。 分子系統解析の結果を基に、L. thakalorumがL. sanguifluusと同種である可能性を指摘した。 インドネシアの熱帯雨林からL. horakiiを新種記載したほか、さらに2つの未記載種を発見したものの、新種記載は実施しなかった。 Indonesia, Java, Bogor, Mt. Salak, Curug Nangka (新種) Lactarius horakii Nuytinck & Verbeken 語源…E. Horak博士に献名 【よく似た種との区別】 Lactarius hatsudake アジアに分布する 本種と子実体のサイズが異なる 本種と異なり子実体がしばしば橙色を帯びる 本種より担子胞子のサイズが明らかに大きい 本種と異なり縁マクロシスチジアを有する (その他掲載種) Lactarius akahatsu Nobuj. Tanaka アカハツ 【よく似た種との区別】 Lactarius hatsudake アジアに分布する 本種より襞の幅が広い 本種と異なり乳液が橙色で緩やかに赤変するのではなく初めから赤色 (その他掲載種) Lactarius deliciosus (L.) Gray (その他掲載種) Lactarius hatsudake Nobuj. Tanaka 【よく似た種との区別】 Lactarius sanguifluus 肉眼的形態がかなり類似している(同種との意見もある) 本種と異なり柄表面にあばた状の模様がある Lactarius horakii アジアに分布する 本種と子実体のサイズが異なる 本種と異なり子実体がしばしば橙色を帯びるという特徴を欠く 本種より担子胞子のサイズが明らかに小さい 本種と異なり縁マクロシスチジアを欠く Lactarius akahatsu(アカハツ) アジアに分布する 本種より襞の幅が狭い 本種と異なり乳液が初めから赤色なのではなく橙色で緩やかに赤変する (その他掲載種) Lactarius laeticolor (S. Imai) Imazeki ex Hongo アカモミタケ 【よく似た種との区別】 Lactarius salmonicolor 同じモミ属植物を宿主とする 側マクロシスチジアが強く突出する 傘表皮が粘質平行菌糸被である 柄表皮が粘質平行菌糸被である 本種と異なり日本および韓国ではなくヨーロッパなどに分布する 本種と乳液の変色性が異なる可能性がある Lactarius thyinos 側マクロシスチジアが強く突出する 傘表皮が粘質平行菌糸被である 柄表皮が粘質平行菌糸被である 本種と異なり日本および韓国ではなくヨーロッパなどに分布する (その他掲載種) Lactarius subindigo Verbeken & E. Horak ルリハツタケ 【よく似た種との区別】 Lactarius indigo アジアに分布する 肉眼的形態が非常に類似している(多数の標本がこの種と同定されていた) 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種より担子胞子の装飾が僅かに幅狭く、丸くならない (その他掲載種) Lactarius thakalorum Bills & Cotter 【よく似た種との区別】 Lactarius sanguifluus 形態的に類似している(同種の可能性がある) 顕微鏡的に目立った違いが認められない ITSおよびGAPDHに基づく分子系統解析で近縁 本種より子実体のサイズがかなり大きい 本種と異なり傘が汚桃色~帯灰赤色で退色し淡黄色となるという特徴を欠く