(仮訳)ハナゴケ属地衣に生じる広義Capronia属2種
Roux, C. et al., 2020. Deux Capronia s. l. (Ascomycota, Chaetothyriales) lichénicoles sur Cladonia. Bulletin de la Société Linnéenne de Provence. Available at: https://www.researchgate.net/publication/346628151_Roux_C_Pinault_P_Ertz_D_et_Gardiennet_A_2020-_Deux_Capronia_s_l_Ascomycota_Chaetothyriales_lichenicoles_sur_Cladonia_Bull_Soc_linn_Provence_71_75-86 [Accessed December 18, 2020] 【R3-07969】2020/12/18投稿

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3行まとめ

フランスおよびスコットランドにおいて2種のハナゴケ属地衣に生じた菌を検討し、Capronia diederichianaとして新種記載した。
本新種は1987年に既に発見されていたが、十分な材料がないため記載されなかった。
また、主にツメゴケ属地衣に生じるが、同じくハナゴケ属地衣にも生じることのあるKnufia peltigeraeについても検討し、両種を比較した。
France, Massif central, Auvergne, département du Puy-de-Dôme, puy du Sancy, commune de Chastreix, à l’orée du bois de la Masse

(新種)

Capronia diederichiana P. Pinault & Cl. Roux
語源…ルクセンブルクの菌学者および地衣学者、Paul Diederich氏に献名
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【よく似た種との区別】
Capronia amylacea
地衣生菌である
子実層がヘミアミロイドである
本種と異なりハナゴケ属ではなくゴンゲンゴケ属地衣などを宿主とする
本種より子嚢果のサイズが大きい
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
Capronia leopoldiana
地衣生菌である
子実層がヘミアミロイドである
本種と異なりハナゴケ属ではなくアオキノリ属地衣などを宿主とする
本種より子嚢果のサイズが小さい
本種と異なり小剛毛の隔壁数が0ではなく0-2
Capronia solitaria
地衣生菌である
子実層がヘミアミロイドである
本種と異なりハナゴケ属ではなくゲジゲジゴケ属地衣などを宿主とする
本種より子嚢果のサイズが小さい
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
Capronia thamnoliae
地衣生菌である
子実層がヘミアミロイドである
本種と異なりハナゴケ属ではなくムシゴケ属地衣などを宿主とする
本種より子嚢胞子の幅が広い
本種と異なり子嚢胞子の縦隔壁数が0-2(3)ではなく1-3(4)
Capronia andina
地衣生菌である
本種と異なりハナゴケ属ではなくデイジーゴケ属地衣などを宿主とする
本種と異なり小剛毛の隔壁数が0ではなく0-2
Capronia normandinae
地衣生菌である
本種と異なりハナゴケ属ではなくNormandina属、Pectenia属、ヨロイゴケ属地衣などを宿主とする
本種と異なり子実層がヘミアミロイドではなく非アミロイド
本種より子嚢胞子の幅が顕著に広い
Capronia magellanica
地衣生菌である
本種と異なりハナゴケ属ではなくヒメハナビラゴケ属地衣などを宿主とする
本種と異なり子実層がヘミアミロイドではなく非アミロイド
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり小剛毛の隔壁数が0ではなく1-4
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が縦0-2(3)、横(1)3-5(7)ではなく横0-4、縦0-1
Capronia holmiorum
子嚢果に小剛毛を有する
子嚢胞子の形態が類似している
本種と異なりハナゴケ属地衣ではなくビャクシン属植物の材などに生じる
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
Capronia pulcherrima
子嚢果に小剛毛を有する
子嚢胞子の形態が類似している
本種と異なりハナゴケ属地衣ではなく材などに生じる
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が(0)1-2
Capronia vaga
子嚢果に小剛毛を有する
子嚢胞子の形態が類似している
本種と異なりハナゴケ属地衣ではなくツツジ属植物の材などに生じる
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
Capronia austrocedri
子嚢果に小剛毛を有する
子嚢胞子の形態が類似している
本種と異なりハナゴケ属地衣ではなくAustrocedrus属植物の材などに生じる
本種より子嚢果のサイズが大きい
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
本種より小剛毛のサイズが大きい
Knufia peltigerae
イギリスおよびフランスに分布する
同じハナゴケ属地衣に生じる
子嚢果の形態が類似している
子実層がヘミアミロイド
子嚢の形態が類似している
小剛毛に隔壁を欠く
子囊果内菌糸系の形態が類似している
本種と異なりドイツ、オーストリア、ベルギー、スペイン、エストニア、フィンランド、ルクセンブルク、ノルウェー、スウェーデン、ロシア、チェコ、ウクライナ、スイス、カナダ、グリーンランド、米国、コロンビアにおける分布が知られている
本種と異なりツメゴケ属地衣に生じることがある
本種より子嚢のサイズが大きい
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり子嚢胞子が褐色ではなく無色
本種より子嚢胞子の縦横比が大きい
本種と異なり子嚢胞子表面が平滑ではなく微細な粗面(小疣状)
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が縦0-2(3)、横(1)3-5(7)ではなく横(1)3
本種より子嚢胞子のペリスポアが厚い
本種と異なり子嚢胞子にハロを生じる
本種と異なり子嚢胞子のトーラスが明瞭ではなくほとんど視認されない
Merismatium heterophractum
フランスに分布する
同じハナゴケ属地衣に生じる
子嚢胞子が類石垣状のことがある
本種と異なりセルビアにおける分布が知られている
本種と異なりツメゴケ属地衣に生じることがある
本種と異なり子嚢果に小剛毛を欠く
本種より子嚢胞子が短い
本種より子嚢胞子が僅かに厚壁

(その他掲載種)

Knufia peltigerae (Fuckel) Réblová & Unter.
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【よく似た種との区別】
Capronia diederichiana
イギリスおよびフランスに分布する
同じハナゴケ属地衣に生じる
子嚢果の形態が類似している
子実層がヘミアミロイド
子嚢の形態が類似している
小剛毛に隔壁を欠く
子囊果内菌糸系の形態が類似している
本種と異なりドイツ、オーストリア、ベルギー、スペイン、エストニア、フィンランド、ルクセンブルク、ノルウェー、スウェーデン、ロシア、チェコ、ウクライナ、スイス、カナダ、グリーンランド、米国、コロンビアにおける分布が知られていない
本種と異なりツメゴケ属地衣に生じることが知られていない
本種より子嚢のサイズが小さい
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
本種と異なり子嚢胞子が無色ではなく褐色
本種より子嚢胞子の縦横比が小さい
本種と異なり子嚢胞子表面が微細な粗面(小疣状)ではなく平滑
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が横(1)3ではなく縦0-2(3)、横(1)3-5(7)
本種より子嚢胞子のペリスポアが薄い
本種と異なり子嚢胞子にハロを生じない
本種と異なり子嚢胞子のトーラスがほとんど視認されないのではなく明瞭