(仮訳)花生息性のべと病菌の多様性および種の境界
Thines, M. & Kummer, V., 2013. Diversity and species boundaries in floricolous downy mildews. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-012-0837-7 [Accessed February 6, 2014].
【R3-00366】2014/02/07投稿

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3行まとめ

シソ科を宿主とする花生息性のべと病菌の標本を複数調査し、種の境界と宿主特異性を検討した。
ITSおよびcox2に基づく分子系統解析で、それらの菌が従来考えられていたよりも高い多様性と宿主特異性を持つことが示唆された。
ドイツ・ブランデンブルク州で見出されたオトメイヌゴマを宿主とする菌を、Peronospora jageiとして新種記載した。
Gatow, Brandenburg, Germany

(新種)

Peronospora jagei Thines & Kummer
語源…植物病原菌の専門家、Horst Jage博士に献名
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Peronospora stigmaticola
ドイツに分布する
シソ科植物を宿主とする
分生子柄の枝分かれの回数の範囲が重なる
卵胞子のサイズの範囲が重なる
ITSおよびcox2に基づく分子系統解析でごく近縁
本種と異なりイヌゴマ属ではなくハッカ属を宿主とする
本種と異なり花柱に普通に見出される
本種より分生子が長い
本種より分生子の幅が狭い
本種と異なり分生子の長軸/短軸比がほとんどの場合2以上になる
本種と異なり分生子が涙形~広楕円形ではなく長紡錘形
ITSおよびcox2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Peronospora scutellariae
本種より分生子柄がずっと短い
本種より分生子が長い

(その他の分類学的措置)

  • 分生子柄の形態は宿主の種や発生する部位によって異なることから、宿主の異なるべと病菌の種レベルの分類形質としては安定していない可能性があるとした。