(仮訳)分子データおよび形態形質により明らかになったLecidea属地衣の多様性
Ruprecht, U. et al., 2010. Diversity of Lecidea (Lecideaceae, Ascomycota) species revealed by molecular data and morphological characters. Antarctic Science. … Available at: http://journals.cambridge.org/abstract_S0954102010000477 [Accessed May 3, 2015].
【R3-01791】2015/05/03投稿

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3行まとめ

ロス海地域の5か所においてトランセクト調査を行ってLecidea属地衣153標本を採集し、分子系統解析で4つのクレードを認めた。
各クレードについて顕微鏡的形質および二次代謝産物を検討し、L. cancriformisなど既知種2種と未記載種2種からなることを示した。
うち1種は本論文でL. polypycnidophoraとして新種記載し、残りの1種は塩基配列および髄層の呈色反応に変異を認めたことから新種記載を行わなかった。
Victoria Land, Taylor Valley

(新種)

Lecidea polypycnidophora Ruprecht & Türk
語源…多数の粉子器を有する
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【よく似た種との区別】
Lecidea andersonii
南極に分布する
地衣成分として4-o-demethylplanaic acidを含むことがある
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり地衣体が良好に発達し視認されるという特徴を欠く
本種と異なり粉子器が良好に発達し視認されるという特徴を欠く
本種より子嚢胞子のQ値が大きい
本種より子嚢胞子の幅が狭い
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lecidea soyaensis
本種と異なり地衣体が良好に発達するのではなく子器周囲に疎らにしか発達しない
本種より髄層がIで強く紫色に呈色する
本種と異なり子実下層が暗褐色ではなく紫褐色
本種と異なり地衣成分としてスチクチン酸類を含む
Lecidea cancriformis
南極に分布する
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり地衣体が白色~クリーム色ではなく褐色
本種と異なり地衣体が円形~多角形で部分的に粒状の小区画状ではなく類水疱形の小区画状
本種と異なり髄層がI陽性(微かな紫色)ではなくI陰性
本種と異なり子実下層が暗褐色ではなく褐色
本種と異なり子嚢胞子が楕円形ではなく長楕円形
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Lecidea andersonii Filson
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【よく似た種との区別】
Lecidea polypycnidophora
南極に分布する
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり地衣体が良好に発達し視認される
本種と異なり粉子器が良好に発達し視認される
本種より子嚢胞子のQ値が小さい
本種より子嚢胞子の幅が広い
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Lecidea cancriformis C.W. Dodge & G.E. Baker
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【よく似た種との区別】
Lecidea polypycnidophora
南極に分布する
地衣成分として4-o-demethylplanaic acidを含むことがある
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり地衣体が褐色ではなく白色~クリーム色
本種と異なり地衣体が類水疱形の小区画状ではなく円形~多角形で部分的に粒状の小区画状
本種と異なり髄層がI陰性ではなくI陽性(微かな紫色)
本種と異なり子実下層が褐色ではなく暗褐色
本種と異なり子嚢胞子が長楕円形ではなく楕円形
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lecidea fuscoatra
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり地衣成分としてコンフルエンチン酸を含む
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

※この他、未記載種Lecidea UCR1を検討したが新種記載は行わなかった。