(仮訳)オーストラリア産のブドウのつるに発生する新種Dothiorella vidmaderaおよびSpencermartinsia属に関する記録
Pitt, WM., Úrbez-Torres, JR. & Trouillas, FP., 2013, Dothiorella vidmadera, a novel species from grapevines in Australia and notes on Spencermartinsia. Fungal Diversity. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s13225-013-0244-7 [Accessed November 10, 2013].
【R3-00473】2014/03/07投稿

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3行まとめ

オーストラリア南東部において、ブドウに潰瘍病を起こす分生子果不完全菌を分離し、Dothiorella vidmaderaとして新種記載した。
本種はPitt et al. (2010) ではDothiorella ibericaと同定されていたが、形態および複数遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別された。
また、西オーストラリア州から、形態的・系統的にSpencermartinsia viticolaに近いが、複数の形態形質が異なる子嚢菌を記録した。
Eden Valley, South Australia, Australia

(新種)

Dothiorella vidmadera W.M. Pitt, J.R. Úrbez-Torres & Trouillas
語源…スペイン語で「ブドウの材」
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【よく似た種との区別】
Diplodia coryli
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Diplodia juglandis
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Dothiorella iberica
ブドウを宿主とする
宿主に立ち枯れ病を起こす
分生子殻の形態が類似している
分生子の形態が類似している
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりオーク類を宿主とする
本種より分生子のサイズが僅かに大きい
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Dothiorella americana
ブドウを宿主とする
宿主に立ち枯れ病を起こす
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子のサイズが顕著に小さい
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Dothiorella sarmentorum
ブドウを宿主とする
宿主に立ち枯れ病を起こす
分生子殻の形態が類似している
分生子のサイズが類似している
分生子の形態が類似している
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヨーロッパに分布する
本種と異なりニレ属やリンゴ属の樹木を宿主とする
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(オーストラリア新産種?)

Spencermartinsia ?viticola (A.J.L. Phillips & J. Luque) A.J.L. Phillips, A. Alves & Crous
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※西オーストラリア州で分離された菌は、Spencermartinsia viticolaのタイプ由来菌株とは、EF1-αの塩基配列に3塩基の違いが見られた。また、子嚢胞子のサイズが小さく、末端に嘴状突起を持たない点で異なっていたことから、未同定として扱われた。