(仮訳)ヨーロッパにおける新規の侵略的外来種、Erysiphe kenjiana
Heluta, V. et al., 2009. Erysiphe kenjiana (Erysiphales), a new invasive fungus in Europe. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/10.1007/s11557-009-0610-8 [Accessed February 11, 2018].
【R3-04844】2018/2/12投稿

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3行まとめ

アジア産のうどんこ病菌、Erysiphe kenjianaをウクライナからヨーロッパ新産種として報告した。
本種はキエフにおいて線路沿いあるいは空港周辺のニレ属樹木4種に発生し、その後北方のチェルニーヒウでも見出された。
分子系統解析では本種を含む数種が共通の祖先に由来し、ニレ科およびアサ科において宿主範囲を拡大したと推定された。

(ヨーロッパ、東欧、ウクライナ新産種)

Erysiphe kenjiana (Homma) U. Braun & S. Takam.
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【よく似た種との区別】
Erysiphe bivonae
同じニレ属植物を宿主とする
閉子嚢殻の付属糸頂部がしばしば膨大する
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁(同じニレ科-アサ科クレードに含まれる)
本種と異なり中国、韓国、極東ロシア、カザフスタン、ウズベキスタン (?)、ウクライナではなく日本などに分布する
本種と異なり閉子嚢殻の付属糸先端が鉤状~巻き毛状であり平面的な螺旋状をなすことが稀
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Erysiphe kusanoi
閉子嚢殻の付属糸頂部がしばしば膨大する
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁(同じニレ科-アサ科クレードに含まれる)
本種と異なり中国、韓国、極東ロシア、カザフスタン、ウズベキスタン (?)、ウクライナではなく日本などに分布する
本種と異なりニレ属ではなくエノキ属植物などを宿主とする
本種と異なり閉子嚢殻の付属糸先端が鉤状~巻き毛状であり平面的な螺旋状をなすことが稀
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Erysiphe kusanoi var. zelkovae
同じニレ科植物を宿主とする
閉子嚢殻の付属糸頂部がしばしば膨大する
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁(同じニレ科-アサ科クレードに含まれる)
本種と異なり中国、韓国、極東ロシア、カザフスタン、ウズベキスタン (?)、ウクライナではなく日本などに分布する
本種と異なりニレ属ではなくケヤキ属植物などを宿主とする
本種と異なり閉子嚢殻の付属糸先端が鉤状~巻き毛状であり平面的な螺旋状をなすことが稀
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される