(仮訳)新種Erysiphe kissiana:日本におけるCaliforniomyces節の初発見
Takamatsu, S., Siahaan, SAS. & Shinoda, T., 2015. Erysiphe kissiana sp. nov.: First finding of sect. Californiomyces in Japan. Mycoscience. Available at: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1340354015000182 [Accessed August 17, 2015].
【R3-02111】2015/08/18投稿

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3行まとめ

三重県においてツブラジイの葉に発生したうどんこ病菌の一種を検討し、Erysiphe kissianaとして新種記載した。
本種は主に熱帯アジアに分布するCaliforniomyces節に含まれることが示され、日本からの本節の菌の初報告となった。
分子系統解析の結果、本新種を含むアジア産のコナラ属および類縁属を宿主とする種は、北米産の種と異なる群を形成することが示された。
三重県津市安濃町草生

(新種)

Erysiphe kissiana S. Takam.
語源…うどんこ病菌の研究者、Levente Kiss博士に献名
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Erysiphe monoperidiata
D1/D2+ITSに基づく分子系統解析で近縁
本種より閉子嚢殻のサイズが小さい
本種と異なり子嚢が7-8胞子性でない
D1/D2+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Erysiphe gracilis
同じブナ科植物を宿主とする
葉面に白色円形のコロニーを形成する
閉子嚢殻をコロニー上に大量に形成する
閉子嚢殻が真冬に成熟する
D1/D2+ITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりツブラジイではなくコナラ属植物を宿主とする
D1/D2+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Erysiphe japonica
同じブナ科植物を宿主とする
D1/D2+ITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりツブラジイではなくコナラ属植物を宿主とする
本種と閉子嚢殻の形態が明瞭に異なる
本種と異なり付属糸が閉子嚢殻の下半分ではなく上半分から生じる
本種と異なり閉子嚢殻の付属糸が棍棒形
D1/D2+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
本種とIGS領域の塩基配列が異なる(類似度86-87%)
Cystotheca wrightii
日本に分布する
同じツブラジイを宿主とする
本種と異なり葉面に特別な気生菌糸を伴わない白色円形のコロニーを形成するという特徴を欠く
本種と異なり閉子嚢殻に複数の子嚢を含むという特徴を欠く
Erysiphe alphitoides
日本に分布する
同じシイ属植物を宿主とする
本種と異なり付属糸が子嚢殻の下半分から生じるという特徴を欠く
本種と異なり付属糸が短く不規則に分岐するという特徴を欠く
Erysiphe javanica
アジアに分布する
同じシイ属植物を宿主とする
D1/D2+ITSに基づく分子系統解析で近縁
D1/D2+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Erysiphe asiatica
アジアに分布する
同じシイ属植物を宿主とする
D1/D2+ITSに基づく分子系統解析で近縁
D1/D2+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される