2017年3月4日 (仮訳)フィンランド産アセタケ属菌の記録:新種Inocybe saliceticola Vauras, J. & Kokkonen, K., 2009. Finnish records on the genus Inocybe. The new species Inocybe saliceticola. Karstenia. Available at: https://www.researchgate.net/profile/Jukka_Vauras/publication/265029279_Finnish_records_on_the_genus_Inocybe_The_new_species_Inocybe_saliceticola/links/54ec8e040cf27fbfd77101f8.pdf [Accessed March 4, 2017]. 【R3-03806】2017/03/04投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ フィンランドおよびスウェーデンにおいてヤナギ属植物の周辺で採集された菌を検討し、Inocybe saliceticolaとして新種記載した。 本種は傘が黄褐色、柄が塊茎状で、担子胞子が弱い結節状であることなどで特徴づけられた。 また、I. alneaなど5種のタイプ標本を検討し、I. straminipesをI. salicisのシノニムとした。 Finland, Pohjois-Karjala, Nurmes, Salmi, E shore of lake Pahakala (新種) Inocybe saliceticola Vauras & Kokkonen 語源…ヤナギ属に生息する 【よく似た種との区別】 Inocybe obtusiuscula 同じヤナギ属植物を宿主とする 傘が黄褐色 傘表面が繊維状 担子胞子表面が低い結節状 本種と異なり高山帯に分布する 本種より担子胞子のサイズが顕著に大きい 本種と担子胞子の形状がやや異なる 本種より担子胞子が厚壁 ITS領域の塩基配列が明瞭に異なる(ITS1に46塩基対の差異および6つのgaps) Inocybe dunensis(ヘイカツトマヤタケ) 同じヤナギ属植物を宿主とする 傘が黄褐色 傘表面が繊維状 担子胞子表面が低い結節状 本種と異なりフィンランドにおける分布が知られていない 本種と異なり海岸の砂地などに発生する 本種より担子胞子のサイズが顕著に大きい 本種と担子胞子の形状がやや異なる 本種よりシスチジアが短い Inocybe salicis フィンランドに分布する 同じヤナギ属植物を宿主とする 傘が黄褐色 傘表面が繊維状 本種と異なり担子胞子表面が弱い結節状ではなく強い結節状 Inocybe straminipes 同じヤナギ属植物を宿主とする 傘が黄褐色 傘表面が繊維状 本種と異なり担子胞子表面が弱い結節状ではなく強い結節状 Inocybe salicis-herbaceae 同じヤナギ属植物を宿主とする 傘が黄褐色 傘表面が繊維状 本種と異なり高山帯に分布する 本種と異なり担子胞子表面が弱い結節状ではなく強い結節状 Inocybe substellata 同じヤナギ属植物を宿主とする 傘が黄褐色 傘表面が繊維状 本種と異なり高山帯に分布する 本種と異なり担子胞子表面が弱い結節状ではなく強い結節状 Inocybe praetervisa(ニセアセタケ) 同じヤナギ属植物を宿主とする 傘が黄褐色 傘表面が繊維状 本種と異なりカバノキ属およびコナラ属植物と発生する 本種と異なり湿った場所ではなく乾燥した場所に発生する 本種と異なり担子胞子表面が弱い結節状ではなく強い結節状 Inocybe mixtilis 同じヤナギ属植物を宿主とする 傘が黄褐色 傘表面が繊維状 本種と異なり主にトウヒ属、マツ属、カバノキ属植物と発生する 本種と異なり湿った場所ではなく乾燥した場所に発生する 本種と異なり担子胞子表面が弱い結節状ではなく強い結節状 Inocybe alnea 肉眼的特徴がやや類似している 本種と異なりヤナギ属植物が宿主でない可能性がある 本種より担子胞子表面が強い結節状 本種とITS領域の塩基配列が異なる(60塩基対の差異および19gaps) Inocybe hirculus 同所的に分布する 湿った環境に生育する 本種と異なり傘表面が繊維状ではなく羊毛状~繊維状 本種と異なり柄基部が塊茎状でない 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種とITS領域の塩基配列が異なる(50塩基対の差異および18gaps) Inocybe rivularis 湿った環境に生育する 本種より子実体のサイズが大きい 本種と異なり柄表面が頂部のみ粉状 本種と顕微鏡的形質が異なる (その他掲載種) Inocybe salicis Kühner ※Inocybe straminipesを本種のシノニムとした。 【よく似た種との区別】 Inocybe saliceticola フィンランドに分布する 同じヤナギ属植物を宿主とする 傘が黄褐色 傘表面が繊維状 本種と異なり担子胞子表面が強い結節状ではなく弱い結節状 (その他掲載種) Inocybe dunensis P.D. Orton ヘイカツトマヤタケ 【よく似た種との区別】 Inocybe saliceticola 同じヤナギ属植物を宿主とする 傘が黄褐色 傘表面が繊維状 担子胞子表面が低い結節状 本種と異なりフィンランドに分布する 本種と異なり海岸の砂地などに発生するという特徴を欠く 本種より担子胞子のサイズが顕著に小さい 本種と担子胞子の形状がやや異なる 本種よりシスチジアが長い (その他掲載種) Inocybe obtusiuscula Kühner 【よく似た種との区別】 Inocybe saliceticola 同じヤナギ属植物を宿主とする 傘が黄褐色 傘表面が繊維状 担子胞子表面が低い結節状 本種と異なり高山帯に分布するという特徴を欠く 本種より担子胞子のサイズが顕著に小さい 本種と担子胞子の形状がやや異なる 本種より担子胞子が薄壁 ITS領域の塩基配列が明瞭に異なる(ITS1に46塩基対の差異および6つのgaps) (その他掲載種) Inocybe alnea Stangl ※Inocybe ochraceaが本種のシノニムである可能性を指摘した。 【よく似た種との区別】 Inocybe saliceticola 肉眼的特徴がやや類似している 本種と異なりヤナギ属植物が宿主でない可能性があるのではなくヤナギ属植物を宿主とする 本種より担子胞子表面が弱い結節状 本種とITS領域の塩基配列が異なる(60塩基対の差異および19gaps)