(仮訳)ウッタラーカンド・ヒマラヤからのインド新産の野生大型菌類の報告
Bhatt, RP. et al., 2018. First reports of wild macrofungi to the Indian mycobiota from Uttarakhand Himalaya. Indian Phytopathology. Available at: https://link.springer.com/article/10.1007/s42360-018-0068-1 [Accessed January 14, 2019] 【R3-05857】2019/1/14投稿

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3行まとめ

インド、ウッタラーカンド・ヒマラヤにおいて大型菌類の調査を実施した。
Amanita farinosaなど8種をインド新産種として報告した。
各種について記載文、生態写真、顕微鏡写真、類似種との差異などを掲載した。

(インド新産種)

Amanita farinosa Schwein.
ヒメコナカブリツルタケ
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【よく似た種との区別】
Amanita obsita
本種と異なり傘が中央部で白色~灰色、縁部にかけて淡灰色なのではなく帯灰褐色
本種より担子胞子が短い
本種と異なり担子胞子が広楕円形~楕円形ではなく球形~類球形
Amanita nehuta
本種と異なりコナラ属などではなくナンキョクブナ属植物などを宿主とする
本種と異なり傘表面の外被膜の名残が灰色ではなく淡い帯灰色~セピア色
本種と異なり傘表面の外被膜の名残が粉状または小粒状ではなく疣状

(インド新産種)

Amanita sepiacea S. Imai
テングタケモドキ
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【よく似た種との区別】
Amanita fritillaria
同じValidae節に含まれる
インドに分布する
形態的に類似している(混同のおそれがある)
子実体が暗灰褐色
本種と異なり傘が帯灰色~褐色
本種と異なり傘表面に小型の円錐形の疣を有する
本種と異なり柄が帯灰褐色で頂部にかけて類白色
本種と異なり内被膜が帯褐灰色
本種と異なり肉が切断すると僅かに黄褐色に変色する
本種より担子胞子が短い
本種と異なり担子胞子が広楕円形~楕円形ではなく球形~広楕円形
Amanita tristis
同じValidae節に含まれる
形態的に類似している(混同のおそれがある)
子実体が暗灰褐色
本種と異なり傘が暗褐灰色
本種と異なり傘表面に繊維紋を有する
本種と異なりつぼの上側に2-3つの同心円状の疣を伴う
本種と異なり肉が切断したり傷つけたりすると僅かに淡黄褐色に変色する
Amanita pillosella
同じValidae節に含まれる
形態的に類似している(混同のおそれがある)
子実体が暗灰褐色
担子胞子のサイズの範囲が重なる
本種と異なり傘が帯灰褐色
本種と異なり傘表面に内在する暗色の繊維紋を有する
本種と異なり担子胞子が広楕円形~楕円形ではなく球形~広楕円形

(インド新産種)

Hypomyces lateritius (Fr.) Tul. & C. Tul.
アカハツヤドリタケ
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【よく似た種との区別】
Hypomyces lactifluorum
同じLactarius属菌を宿主とする
本種と異なり子実体形成菌糸層が白色のことがない
本種より子嚢のサイズが比較的大きい
本種と異なり子嚢が8胞子性ではなく1-3胞子性
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
Hypomyces chrysospermus(アワタケヤドリタケ)
インドに分布する
菌寄生菌である
本種と異なりLactarius属菌ではなくイグチ類などを宿主とする
Hypomyces luteovirens(アオノキノコヤドリタケ)
インドに分布する
菌寄生菌である
本種と異なりLactarius属菌ではなくベニタケ属菌などを宿主とする
本種と異なり子実体形成菌糸層が帯緑色
本種より子嚢胞子のサイズが大きい

(インド新産種)

Lactarius horakii Nuytinck & Verbeken
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【よく似た種との区別】
Lactarius rubrifluus
形態的に類似している(混同のおそれがある)
乳液が帯ワイン赤色
本種より子実体が暗色の帯赤橙色~赤色
本種と異なり傘表面縁部に条線を欠く
本種より担子胞子が長い
本種と異なり担子胞子が類球形~広楕円形ではなく広楕円形
Lactarius subpurpureus
形態的に類似している(混同のおそれがある)
乳液が帯ワイン赤色
本種と異なり子実体が汚い帯桃色
本種と異なり傘表面縁部に条線を欠く
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子が類球形~広楕円形ではなく楕円形
本種と異なり顕著なマクロシスチジアを有する

(インド新産種)

Lactarius laeticolor (S. Imai) Imazeki ex Hongo
アカモミタケ
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【よく似た種との区別】
Lactarius deliciosus
子実体が淡橙色~橙色
傘表面に環紋を有する
柄が同色
乳液が橙色
子実体に果実臭を有する
本種と異なり子実体が明るい橙色
本種と異なり子実体が全く変色しない
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種より担子胞子の装飾の丈が高い
Lactarius akahatsu(アカハツ)
子実体が橙色
乳液が橙色
本種と異なり乳液が帯ワイン赤色に変色する
本種より担子胞子の装飾の丈が低い

(インド新産種)

Lactifluus pilosus (Verbeken, H.T. Le & Lumyong) Verbeken
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【よく似た種との区別】
Lactifluus vellereus(ケシロハツ)
形態的に類似している(混同のおそれがある)
子実体全体が白色
傘が漏斗形
乳液が白色
乳液が辛い
本種と異なり肉の味が温和
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり傘表皮の末端細胞が厚壁
Lactifluus subvellereus var. subdistans
同じコナラ属植物の樹下に発生する
形態的に類似している(混同のおそれがある)
子実体全体が白色
傘が漏斗形
乳液が白色
乳液が辛い
本種より襞の間隔が疎
本種と異なり乳液が速やかに黄変する
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり傘表皮の末端細胞が厚壁
Lactifluus rajendrae
形態的に類似している(混同のおそれがある)
子実体全体が白色
傘が漏斗形
乳液が白色
乳液が辛い
本種と異なりコナラ属ではなくマツ属植物などの樹下に発生する
本種と異なり傘が緑色を帯びる
本種と異なり襞の間隔が密
本種と異なり襞が乾燥すると帯黄褐色になる

(インド新産種)

Russula olivobrunnea Ruots. & Vauras
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【よく似た種との区別】
Russula olivina
本種と異なり襞が叉状分岐しない
本種と異なり肉の変色性に乏しい
本種と異なり担子器が4胞子性ではなく2胞子性
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり表皮シスチジアの隔壁数が1-9
Russula fusconigra
肉眼的形態が類似している
顕微鏡的形態が類似している
本種と異なり胞子紋が淡黄色ではなく暗黄褐色
本種より担子胞子のサイズが顕著に小さい
本種よりシスチジアの幅が狭い
Russula vinosobrunnea
形態的に類似している(野外で混同のおそれがある)
本種と異なり傘が濃い帯ワイン紫色、帯褐紫色、帯紫栗色、または時に淡色の部分を有する
本種と異なり襞の間隔が密
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子の装飾が円錐形の疣状で連結部および畝が散在する
本種と異なり傘シスチジアを欠く
Russula delica(シロハツ)
インドに分布する
同じトウヒ属植物の樹下に発生する
本種と異なり傘が帯黄白色
本種と異なり襞の間隔が疎
本種と異なり柄が短い
本種と異なり子実体の味が辛い
本種より担子胞子の装飾の丈が低い
Russula densifolia(クロハツモドキ)
インドに分布する
同じトウヒ属植物の樹下に発生する
襞の間隔が密
本種と異なり柄が間もなく赤色~黒色に変色する
本種と異なり肉が間もなく赤色~黒色に変色する
Russula nigricans(クロハツ)
インドに分布する
同じトウヒ属植物の樹下に発生する
本種と異なり襞が厚い
本種と異なり襞の間隔が疎
本種と異なり柄が間もなく赤色~黒色に変色する
本種と異なり肉が間もなく赤色~黒色に変色する
Russula separina
インドに分布する
同じトウヒ属植物の樹下に発生する
本種と異なり肉が露出すると黒色に変色する
Russula consobrina
インドに分布する
同じトウヒ属植物の樹下に発生する
本種と異なり肉が露出すると帯赤色に変色する
Russula rosea
インドに分布する
同じトウヒ属植物の樹下に発生する
本種と異なり肉が乾燥標本においてスルフォバニリンで明るい赤色に変色する
本種と異なり傘シスチジアを欠く
Russula virescens(アイタケ)
インドに分布する
同じトウヒ属植物の樹下に発生する
本種と異なり傘が帯黄緑色
本種と異なり傘表面が小区画状、痂状のパッチ状
本種と異なり傘表皮の末端細胞が球状細胞である
Russula mussoriensis
インドに分布する
同じトウヒ属植物の樹下に発生する
襞の間隔が密
本種と異なり傘が帯赤桃色
本種と異なり襞が厚い
本種と異なり胞子紋がクリーム色
本種と異なり担子胞子のサイズが小さい
本種より担子胞子の装飾の丈が低い

(インド新産種)

Sparassis latifolia Y.C. Dai & Z. Wang
ハナビラタケ
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【よく似た種との区別】
Sparassis subalpina
生息環境が類似している
子実体の裂片が幅広い
本種と異なり子実体の裂片に環紋を有する
本種より柄のサイズが比較的小さい
本種より担子胞子のサイズが比較的大きい