(仮訳)Cupressus arizonicaに寄生する新種Fomitiporia cupressicolaおよび複数遺伝子に基づく系統解析で検出されたさらなる米国南部産、メキシコ北部産の未命名のクレード
Amalfi, M. et al., 2012. Fomitiporia cupressicola sp. nov., a parasite on Cupressus arizonica, and additional unnamed clades in the southern USA and northern Mexico, determined by multilocus phylogenetic analyses. Mycologia. Available at: http://www.mycologia.org/content/104/4/880.short [Accessed May 6, 2015].
【R3-01802】2015/05/07投稿

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3行まとめ

メキシコのシエラ・マドレ・オクシデンタルにおいてCupressus arizonicaの生木に発生した菌を検討し、Fomitiporia cupressicolaとして新種記載した。
本種は形態的にF. robusta種複合体に属し、地理的分布が極めて限られていることが示唆された。
また、分子系統解析の結果、F. robusta種複合体において複数の未命名のクレードを認め、その中には未記載種が含まれている可能性があった。
Mexico, Durango, western Sierra Madre, municipality of Pueblo Nuevo, ecological area Predio las Bayas

(新種)

Fomitiporia cupressicola Amalfi, Raymundo, Valenzuela & Decock
語源…イトスギに生息する
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Fomitiporia hippophaeicola
同じFomitiporia robusta種複合体に含まれる
ITS+LSU+EF1-α+rpb2に基づく分子系統解析で近縁(同じHo1クレードに含まれる)
本種と異なりメキシコではなくヨーロッパ(ベルギーなど)に分布する
ITS+LSU+EF1-α+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fomitiporia hartigii(モミサルノコシカケ)
北米に分布する
裸子植物を宿主とする
本種と分布域が重ならない
本種と異なりイトスギ属ではなくツガ属およびモミ属植物に対する選好性を有する
本種と異なり子実体が傘状ではなく背着生~半背着生
ITS+LSU+EF1-α+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(Ho1クレードではなくHo2クレードに含まれる)
Fomitiporia texana
北米に分布する
ヒノキ科植物を宿主とする
本種と分布域が重ならない
本種と異なりイトスギ属ではなくビャクシン属植物のみを宿主とする
本種と異なり傘に深い亀裂が生じる
本種と異なり子実層托実質に剛毛状菌糸を有することがある
ITS+LSU+EF1-α+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(Ho1クレードではなくSA2クレードに含まれる)
Fomitiporia bakeri
北米に分布する
孔口のサイズが類似している
本種と分布域が重ならない
本種と異なり裸子植物ではなく被子植物(カバノキ属)を宿主とする
本種より担子胞子の幅が僅かに狭い
ITS+LSU+EF1-α+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(Ho1クレードではなくHo2クレードに含まれる)
Fomitiporia calkinsii
メキシコに分布する
本種と分布域が重ならない
本種と異なり裸子植物ではなく被子植物(主にコナラ属およびペカン属)を宿主とする
本種より孔口のサイズが顕著に小さい
本種より担子胞子のサイズが小さい
ITS+LSU+EF1-α+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(Ho1クレードに含まれない)
Fomitiporia polymorpha
北米に分布する
本種と分布域が重ならない
本種と異なり裸子植物ではなく被子植物を宿主とする
ITS+LSU+EF1-α+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(Ho1クレードではなくHo2クレードに含まれる)