(仮訳)ダイダイゴケ属地衣の4新種
Kondratyuk, SY. et al., 2011. Four new Caloplaca species (Teloschistaceae, Ascomycotina). Folia Cryptogamica Estonica. Available at: http://www.ut.ee/ial5/fce/fce48pdf/fce48_kondratyuk.pdf [Accessed December 13, 2016].
【R3-03562】2016/12/13投稿

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3行まとめ

アジアおよびオーストラリアから4種の樹皮生ダイダイゴケ属地衣を新種記載した。
C. kiewkaensisC. trassii、およびC. ussuriensisはロシア沿海地方で採集された。
C. letrouitioidesはオーストラリアに産し、地衣体が帯灰白色~帯灰色で子器がビアトラ型、子嚢胞子が中型で隔壁が厚いことなどで特徴づけられた。
Russia, Far East, Primorsky region, Lazo district, in the vicinity of Kiewka settlement

(新種)

Caloplaca kiewkaensis L.S. Yakovczenko, I.A. Galanina & S.Y. Kondr.
語源…キエフカ産の
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【よく似た種との区別】
Caloplaca sibirica
本種と異なりロシアではなくユーラシアおよびグリーンランドに分布する
本種ほど地衣体が発達しない
本種より子器のサイズが小さい
本種より子器がずっと薄い
本種と異なり子器盤が鈍帯黄褐色~黒色ではなく橙黄色
本種より子実層の幅が狭い
本種より子嚢胞子の隔壁の幅がずっと狭い
Caloplaca letrouitioides
地衣体が非常に薄い
地衣体が帯灰白色~帯灰色
地衣体表面が平滑
裂芽を欠く
粉芽を欠く
果殻の縁がごく厚く子器盤の高さよりも隆起する
子嚢胞子のサイズが中型
子嚢胞子の隔壁の幅が広い
本種と異なりロシアではなくオーストラリアに分布する
本種と異なり子器が顕著なゼオリン型ではなくビアトラ型
本種より子器が薄い
本種と異なり子嚢が8胞子性ではなく(2-)4胞子性
本種と異なり果殻が厚壁菌糸組織からなるという特徴を欠く
本種と異なり子実下層に無数の油滴および凝集物を含むという特徴を欠く
本種より子嚢胞子の幅がやや狭い
本種より子嚢胞子の隔壁の幅が広い
Letrouitia domingensis
地衣体表面が平滑
子器がビアトラ型
果殻の縁が良好に発達する
本種と異なり子嚢胞子が二極発芽するという特徴を欠く
Letrouitia transgressa(キンカンゴケモドキ)
地衣体表面が平滑
子器がビアトラ型
果殻の縁が良好に発達する
本種と異なり子嚢胞子が二極発芽するという特徴を欠く
Caloplaca bastowii
子実層に無数の油滴および凝集物を含む
子実下層に無数の油滴および凝集物を含む
本種と異なりロシアではなくオーストラリアなどに分布する
本種より地衣体が明色
本種より子器がずっと薄い
本種と異なり果托が子器下面にのみ生じるという特徴を欠く
本種より子嚢胞子の幅がずっと狭い
Caloplaca kilcundaensis
子実層に無数の油滴および凝集物を含む
子実下層に無数の油滴および凝集物を含む
本種と異なりロシアではなくオーストラリアなどに分布する
本種と異なり樹皮生ではなく岩上生である
本種より地衣体が明色
本種より子器がずっと薄い
本種と異なり果托が子器下面にのみ生じるという特徴を欠く
本種より子嚢胞子の幅がずっと狭い
Australia, Victoria, Gunnamatta Beach

(新種)

Caloplaca letrouitioides S.Y. Kondr., Elix & Kärnefelt
語源…Letrouitia属類似の
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【よく似た種との区別】
Caloplaca kiewkaensis
地衣体が非常に薄い
地衣体が帯灰白色~帯灰色
地衣体表面が平滑
裂芽を欠く
粉芽を欠く
果殻の縁がごく厚く子器盤の高さよりも隆起する
子嚢胞子のサイズが中型
子嚢胞子の隔壁の幅が広い
本種と異なりオーストラリアではなくロシアに分布する
本種と異なり子器がビアトラ型ではなく顕著なゼオリン型
本種より子器が厚い
本種と異なり子嚢が(2-)4胞子性ではなく8胞子性
本種と異なり果殻が厚壁菌糸組織からなる
本種と異なり子実下層に無数の油滴および凝集物を含む
本種より子嚢胞子の幅がやや広い
本種より子嚢胞子の隔壁の幅が狭い
Letrouitia domingensis
地衣体表面が平滑
子器がビアトラ型
果殻の縁が良好に発達する
本種と異なり子嚢胞子が二極発芽するという特徴を欠く
Letrouitia transgressa(キンカンゴケモドキ)
地衣体表面が平滑
子器がビアトラ型
果殻の縁が良好に発達する
本種と異なり子嚢胞子が二極発芽するという特徴を欠く
Russia, Far East, Primorsky region, Lazo district, in the vicinity of Kiewka settlement

(新種)

Caloplaca trassii I.A. Galanina & S.Y. Kondr.
語源…エストニアの地衣学者/植物社会学者、Hans Trass氏に献名
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【よく似た種との区別】
Caloplaca suspiciosa
本種と異なりユーラシアに広く分布する
本種と異なり果托がK陰性でない
本種と異なり子実上層が帯青色
本種より子嚢胞子が短い
本種と異なり側糸の幅が一様なのではなく先端にかけて膨大する
本種より果托の皮層が厚い
本種と異なり子器下部に共生藻を含む領域を有する
Caloplaca diphasia
本種と異なりロシアではなく北米などに分布する
本種と異なり地衣体に亀裂が生じる
本種より子器のサイズが大きい
本種と異なり子器に粉霜を伴う
本種と異なり果托の縁が灰色または帯褐色ではなく黄色
本種と異なり果托の縁がK陰性ではなくK+黄色またはK+紫色
本種より子嚢胞子の幅が広い
本種より子嚢胞子の隔壁の幅が広い
Caloplaca brunneola
本種と異なりロシアではなく北米などに分布する
本種と異なり子器がレカノラ型ではなくビアトラ型
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり側糸の幅が一様でない
本種と異なり側糸の先端に褐色の帽を伴う
本種と異なり果殻の基部に共生藻の層を含む
Caloplaca filsonii
本種と異なりロシアではなくオーストラリアなどに分布する
本種と異なり地衣体の厚さが中央部で厚くなるのではなくいくぶん一様
本種より子嚢胞子の幅がずっと狭い
本種より子嚢胞子の隔壁が狭い
Caloplaca camptidia
本種と異なりロシアではなく亜熱帯~熱帯アメリカなどに分布する
本種と異なり子器に粉霜を伴う
Caloplaca ochrolechioides
本種と異なりロシアではなくオーストラリアなどに分布する
本種より地衣体が帯白灰色ではなくずっと濃色
本種と異なり子器がレカノラ型ではなくビアトラ型
本種と異なり子器に粉霜を伴う
本種より基部の果殻が厚い
Caloplaca yammeraensis
本種と異なりロシアではなくオーストラリアなどに分布する
本種と異なり子器に粉霜を伴う
本種と異なり地衣体に微小なシジディアを有する
本種より子嚢胞子のサイズがずっと大きい
本種より子嚢胞子の隔壁の幅が広い
Caloplaca spadicea
本種と異なりロシアではなくハワイおよびネパールなどに分布する
本種と異なり地衣体に微小な裂芽を有する
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が3
Caloplaca tomnashii
地衣体が小型
地衣体が灰色
子器がレカノラ型
子器盤が帯黒色または黒色
子嚢胞子がかなり長く幅が狭い
本種と異なりロシアではなくオーストラリアなどに分布する
本種より果托の縁の幅が広い
本種より基部の果殻の幅が広い
本種より子嚢胞子の隔壁が厚い
本種より果托の皮層が厚い
Russia, Primorsky region, in the vicinity of Okeanicheskaya railway station, ‘Sad-gorod’ locality

(新種)

Caloplaca ussuriensis Oxner, S.Y. Kondr. & Elix
語源…ウスリー産の
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【よく似た種との区別】
Caloplaca oxneri
同所的に分布する(ロシア)
同時に発生することがある
地衣体が同色
本種と異なり地衣体上面が断片化して斜上することがある
本種と異なり地衣体が白色の髄層を露出する
本種と異なりフィリディアを有する
本種と異なり”schistidia”を有する
本種と異なり粉芽塊が発達するという特徴を欠く
Caloplaca cerina
同所的に分布する(ロシア)
同時に発生することがある
本種と異なり子器が暗褐色ではなく明るい帯黄色
本種と異なり果托の縁が帯灰色
本種と異なり粉芽塊を欠く
Caloplaca chrysophthalma
子嚢胞子のサイズが類似している
子嚢胞子の隔壁の幅が類似している
本種より地衣体がずっと薄い
本種と異なり地衣体に顕著な亀裂~小区画が生じるという特徴を欠く
本種と異なり子実下層に無数の油滴を含むという特徴を欠く
本種と異なり側糸が先端にかけて膨大する
本種より果殻が厚い
本種と異なり果殻が絡み合い菌組織ではなく厚壁菌糸組織からなる
本種と地衣成分が異なる