2015年3月6日 （仮訳）イグチ科の4新属 Wu, G. et al., 2015. Four new genera of the fungal family Boletaceae. Fungal Diversity. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s13225-015-0322-0 [Accessed March 5, 2015]. 【R3-01615】2015/03/06投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません（大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため）。 3行まとめ Wu et al. (2014) の分子系統解析の結果に基づき、イグチ科に新属Baorangia、Lanmaoa、Parvixerocomus、およびRugiboletusを設立した。 また、Lanmaoa asiaticaなど4新種を記載し、4新組み合わせを提唱し、Neoboletus属の属概念の修正を行った。 中国南西部から記載された属のほとんどの種は食用きのことして市場で売られていた。 （新組み合わせ） Baorangia pseudocalopus (Hongo) G. Wu & Zhu L. Yang ニセアシベニイグチ 旧名：Boletus pseudocalopus Hongo 語源…（属名）「薄い子実層」を表す中国語「薄瓤」より 【よく似た種との区別】 Caloboletus calopus（アシベニイグチ） 表現型が非常に類似している 本種と柄の網目模様が異なる（少なくとも頂部） 本種と異なり肉に苦味がある 本種と系統的に異なる (Wu et al., 2014) Baorangia rubelloides（ニシキイグチ） 系統的に近縁 (Wu et al., 2014) 本種より傘が暗色 Boletus rufomaculatus 系統的に近縁 (Wu et al., 2014) 本種より傘が暗色 本種より担子胞子の幅が狭い （新学名） Baorangia rubelloides G. Wu, Halling & Zhu L. Yang ニシキイグチ 旧名：Boletus bicolor Peck 語源…Xerocomellus rubellus類似の 【よく似た種との区別】 Baorangia rufomaculatus 系統的に近縁 (Wu et al., 2014) 本種と系統的に異なる (Wu et al., 2014) Baorangia pseudocalopus（ニセアシベニイグチ） 系統的に近縁 (Wu et al., 2014) 本種より傘が明色 Lanmaoa asiatica 本種と異なりオークではなくマツと外生菌根を形成していると見られる 本種と異なり傘がKOHでの呈色反応を示す 中国雲南省怒江リス族自治州貢山トールン族ヌー族自治県丙中洛街双拉村 （新種） Lanmaoa angustispora G. Wu & Zhu L. Yang 語源…（属名）イグチ（牛肝菌）を中国語文献において初めて記載した明朝の植物学者、藍茂 (Lan Mao) に献名/（種小名）狭い胞子の 【よく似た種との区別】 Lanmaoa flavorubra 分子系統解析で近縁 (Wu et al., 2014) 本種より柄が暗色 本種と異なり柄の頂部に細かい網目がある 本種より担子胞子の幅が広い 中国雲南省昆明市 （新種） Lanmaoa asiatica G. Wu & Zhu L. Yang 語源…アジアの 【よく似た種との区別】 Lanmaoa carminipes 分子系統解析でごく近縁 (Wu et al., 2014) 本種と異なり肉が傷つくと速やかに青変する 本種より担子胞子の幅が顕著に狭い Baorangia rubelloides（ニシキイグチ） 本種と異なりマツではなくオークと外生菌根を形成していると見られる 本種と異なり傘にKOHでの呈色反応を欠く （新組み合わせ） Lanmaoa carminipes (A.H. Sm. & Thiers) G. Wu, Halling & Zhu L. Yang 旧名：Boletus carminipes A.H. Sm. & Thiers 【よく似た種との区別】 Lanmaoa asiatica 分子系統解析でごく近縁 (Wu et al., 2014) 本種と異なり肉が傷つくと速やかに青変するという特徴を欠く 本種より担子胞子の幅が顕著に広い （新組み合わせ） Lanmaoa flavorubra (Halling & M. Mata) G. Wu, Halling & Zhu L. Yang 旧名：Boletus flavoruber Halling & M. Mata 【よく似た種との区別】 Lanmaoa angustispora 分子系統解析で近縁 (Wu et al., 2014) 本種より柄が明色 本種と異なり柄の頂部に細かい網目を欠く 本種より担子胞子の幅が狭い （新組み合わせ） Lanmaoa pseudosensibilis (A.H. Smith & Thiers) G. Wu, Halling & Zhu L. Yang 旧名：Boletus pseudosensibilis A.H. Sm. & Thiers 中国広東省広州市白雲山 （新種） Parvixerocomus pseudoaokii G. Wu, K. Zhao & Zhu L. Yang 語源…（属名）小型のXerocomus属/（種小名）Parvixerocomus aokii類似の 【よく似た種との区別】 Parvixerocomus aokii（ヒメコウジタケ） 形態的に非常に類似している 系統的にごく近縁(Wu et al., 2014) 本種より担子胞子が長い Xerocomus parvulus 形態的に類似している 本種より担子胞子の幅が広い 本種より側シスチジアが長い Boletus pseudoparvulus 形態的に類似している 本種と異なり子実体が傷つくと青色ではなく帯紫赤色に変色する 本種より担子胞子の幅が狭い （新組み合わせ） Parvixerocomus aokii (Hongo) G. Wu, N.K. Zeng & Zhu L. Yang ヒメコウジタケ 旧名：Boletus aokii Hongo 中国チベット自治区ニンティ地区魯朗鎮扎西崗郷 （新種） Rugiboletus brunneiporus G. Wu & Zhu L. Yang 【よく似た種との区別】 Rugiboletus extremiorientalis（アカヤマドリ） 形態的に多くの類似点がある（誤同定がしばしば起こる） 系統的に近縁 本種と異なり亜高山帯に分布しない 本種と異なりトウヒ属またはモミ属植物が優占する森林に生息しない 本種と異なり子実層面が帯赤褐色~褐色でない Boletus hortonii 傘表面が皺状 傘表皮の末端細胞が膨大する 本種と異なり子実層面が褐色を帯びない 本種より担子胞子の幅が狭い 本種と系統的に異なる（亜科のレベル） Leccinum rugosiceps 傘表面が皺状 傘表皮の末端細胞が膨大する 本種と異なり子実層面が褐色を帯びない 本種と異なり子実体が傷ついても青色を帯びない 本種と系統的に異なる（亜科のレベル） （新組み合わせ） Rugiboletus extremiorientalis (Lj.N. Vassiljeva) G. Wu & Zhu L. Yang アカヤマドリ 旧名：Leccinum extremiorientale (Lar. N. Vassiljeva) Singer （基礎異名は非合法名のKrombholzia extremiorientalis Lj.N. Vassiljeva） 【よく似た種との区別】 Rugiboletus brunneiporus 形態的に多くの類似点がある（誤同定がしばしば起こる） 系統的に近縁 本種と異なり亜高山帯に分布する 本種と異なりトウヒ属またはモミ属植物が優占する森林に生息する 本種と異なり子実層面が帯赤褐色~褐色 本種より担子胞子の幅が広い （新組み合わせ） Neoboletus thibetanus (Shu R. Wang & Yu Li) Zhu L. Yang, B. Feng & G. Wu 旧名：Gastroboletus thibetanus Shu R. Wang & Yu Li 【よく似た種との区別】 Gymnogaster boletoides 本種と異なり中国ではなくオーストラリアに分布する 本種と異なり子実体頂部に特徴的な赤色の領域を有する 本種より担子胞子のサイズがずっと小さい 本種と異なり担子胞子が扁桃形ではなく卵形~楕円形 本種と系統的に異なる (Wu et al., 2014) Gastroboletus turbinatus 肉が黄色~硫黄色 肉が露出すると速やかに青変する 本種と異なり中国ではなく北米に分布する 本種と異なり子実層托が取り囲まれるという特徴を欠く 本種より担子胞子の幅が狭い 本種と異なり担子胞子が扁桃形でない Gastroboletus ruber 子実体が類球形 本種と異なり中国ではなく北米に分布する 本種と異なり子実体がばら色・帯褐赤色・帯赤褐色 本種と異なり柄が淡黄色 本種と異なり肉が同色 本種より担子胞子の幅が狭い 本種と異なり担子胞子が類紡錘形 （新組み合わせ） Neoboletus venenatus (Nagas.) G. Wu & Zhu L. Yang ドクヤマドリ 旧名：Boletus venenatus Nagas. （その他掲載種） Neoboletus brunneissimus (W.F. Chiu) Gelardi, Simonini & Vizzini コゲチャイロガワリ 【よく似た種との区別】 Neoboletus luridiformis（オオウラベニイロガワリ） 形態的に類似している 本種と異なり熱帯域ではなく温帯域に分布する 本種と異なり中国ではなくヨーロッパに分布する 本種と異なり孔口が赤色 本種と異なり柄表面に赤色の点状鱗片を有する Boletus vermiculosus 形態的に類似している 本種と異なり中国ではなく北米および中米に分布する 本種より担子器の幅が狭い （その他掲載種） Neoboletus magnificus (W.F. Chiu) Gelardi, Simonini & Vizzini 【よく似た種との区別】 Rubroboletus sinicus 形態的に類似している 本種と異なり柄全体に顕著な網目を有する 本種より子実体が傷ついた時の変色が淡い Neoboletus luridiformis（オオウラベニイロガワリ） 形態的に類似している 本種と異なり熱帯域ではなく温帯域に分布する 本種より担子胞子のサイズが僅かに大きい