(仮訳)オーストラリアおよびイタリアにおいてAgapanthus praecoxの葉および茎に斑点を引き起こした、ビカベリンおよびフサルビンを産生する新種Fusarium agapanthi
Edwards, J. et al., 2016. Fusarium agapanthi sp. nov., a novel bikaverin and fusarubin-producing leaf and stem spot pathogen of Agapanthus praecox (African lily) from Australia and Italy. Mycologia. Available at: https://www.tandfonline.com/doi/full/10.3852/15-333 [Accessed April 17, 2018].
【R3-05042】2018/4/17投稿

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3行まとめ

イタリアおよびオーストラリアにおいてAgapanthus praecoxに病害を引き起こした菌を検討し、Fusarium agapanthiとして新種記載した。
本種は貧栄養培地において気生分生子柄が密に分枝し、気生菌糸体全体にポリフィアライドを形成することなどで特徴づけられた。
本種の病原性を接種試験により確かめるとともに、ビカベリンおよびフサルビンの産生を認めた。
Australia, Melbourne Gardens, Royal Botanic Gardens Victoria

(新種)

Fusarium agapanthi O’Donnell, T. Aoki, J. Edwards & Summerell
語源…Agapanthus属の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Fusarium tupiense
同じFusarium fujikuroi複合種に含まれる
SNA培地における分生子柄が平伏するか気生
SNA培地における分生子柄がシンポジオ状または輪生状に分枝する
モノフィアライドおよびポリフィアライドを形成する
気生分生子が鎖生せず偽頭状をなす
気生分生子が比較的長い
気生分生子が楕円形~紡錘形または舟形で基部が截断状
気生分生子の隔壁数が3(-5)
スポロドキアの分生子が鎌形
β-チューブリン+CAM+TEF1+IGS+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁(同じアメリカクレードに含まれる)
本種と異なりSNA培地での培養で、直立する分生子柄が暗培養および紫外線照射下で豊富に形成されるのではなく、分生子柄が紫外線照射下では直立するが暗所においてはほとんど平伏する
本種より気生分生子が長い
本種よりスポロドキアの分生子が長い
β-チューブリン+CAM+TEF1+IGS+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fusarium bulbicola
β-チューブリン+CAM+TEF1+IGS+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁(同じアメリカクレードに含まれる)
本種より気生分生子が短い
本種よりスポロドキアの分生子が短い
本種と異なりスポロドキアの分生子を暗培養および紫外線照射下の両方で形成するのではなく紫外線照射下でのみ形成する
β-チューブリン+CAM+TEF1+IGS+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fusarium mexicanum
β-チューブリン+CAM+TEF1+IGS+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁(同じアメリカクレードに含まれる)
本種より気生分生子が短い
本種よりスポロドキアの分生子が短い
本種と異なり分生子がC形のことがある
本種と異なりコイル状の菌糸を有する
β-チューブリン+CAM+TEF1+IGS+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される