(仮訳)北海道においてアズキに根腐病を引き起こした外来病原菌の新種、Fusarium azukicola
Aoki, T. et al., 2012. Fusarium azukicola sp. nov., an exotic azuki bean root-rot pathogen in Hokkaido, Japan. Mycologia. Available at: http://www.mycologia.org/content/104/5/1068.short [Accessed July 20, 2016].
【R3-03124】2016/07/20投稿

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3行まとめ

北海道においてアズキに根腐病を引き起こした病原菌を検討し、Fusarium azukicolaとして新種記載した。
本種はSNA培地で類縁菌よりサイズの大きい4隔壁の分生子を形成することなどで特徴づけられ、分子系統解析では他のマメ科植物の病原菌とともにFSSCクレード2に含まれた。
IGS領域の分子系統解析の結果から、本種が南米で進化し、最近北海道に移入したという仮説を提唱した。
北海道浦幌町

(新種)

Fusarium azukicola T. Aoki, Suga, F. Tanaka, Scandiani & O’Donnell
語源…アズキに生息する
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Fusarium brasiliense
同じマメ科植物を宿主とする
宿主に対して病原性を有する
locus1、locus44、locus81、locus96、EF1-α、locus1+locus44+locus81+locus96+EF1-α、IGSに基づく分子系統解析で近縁(同じSDS-BRRクレードに含まれる)
本種と異なり日本ではなくブラジルなどに分布する
本種と異なりアズキではなくダイズなどを宿主とする
locus1、locus44、locus81、locus96、EF1-α、locus1+locus44+locus81+locus96+EF1-α、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fusarium cuneirostrum
同じマメ科植物を宿主とする
宿主に対して病原性を有する
スポロドキアの分生子の形態が類似していることがある
locus1、locus44、locus81、locus96、EF1-α、locus1+locus44+locus81+locus96+EF1-α、IGSに基づく分子系統解析で近縁(同じSDS-BRRクレードに含まれる)
本種と異なり日本ではなく米国などに分布する
本種よりSNA培地におけるスポロドキアの分生子がしばしばずっと短い
本種と異なりアズキではなくインゲンマメなどを宿主とする
locus1、locus44、locus81、locus96、EF1-α、locus1+locus44+locus81+locus96+EF1-α、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fusarium crassistipitatum
同じマメ科植物を宿主とする
宿主に対して病原性を有する
スポロドキアの分生子の形態が類似していることがある
locus1、locus44、locus81、locus96、EF1-α、locus1+locus44+locus81+locus96+EF1-α、IGSに基づく分子系統解析で近縁(同じSDS-BRRクレードに含まれる)
本種と異なり日本ではなくブラジルなどに分布する
本種と異なりアズキではなくダイズなどを宿主とする
本種よりSNA培地におけるスポロドキアの分生子がしばしばずっと短い
locus1、locus44、locus81、locus96、EF1-α、locus1+locus44+locus81+locus96+EF1-α、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fusarium tucumaniae
同じマメ科植物を宿主とする
宿主に対して病原性を有する
スポロドキアの分生子の長さが類似している
locus1、locus44、locus81、locus96、EF1-α、locus1+locus44+locus81+locus96+EF1-α、IGSに基づく分子系統解析で近縁(同じSDS-BRRクレードに含まれる)
本種と異なり日本ではなくアルゼンチンなどに分布する
本種と異なりアズキではなくダイズなどを宿主とする
本種と異なり有性生殖が知られている
本種よりSNA培地における分生子の平均幅が狭い
locus1、locus44、locus81、locus96、EF1-α、locus1+locus44+locus81+locus96+EF1-α、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される