(仮訳)プルビン酸誘導体を欠くコガネゴケ科の新規単型属、Galbinothrix
Frisch, A. et al., 2018. Galbinothrix, a new monotypic genus of Chrysotrichaceae (Arthoniomycetes) lacking pulvinic acid derivatives. Plant and Fungal Systematics. Available at: https://content.sciendo.com/abstract/journals/pfs/63/2/article-p31.xml [Accessed March 29, 2019] 【R3-06081】2019/3/30投稿

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3行まとめ

日本および韓国において落葉樹に生じた地衣の一種を検討し、新属新種Galbinothrix caesiopruinosaとして記載した。
本種は地衣体が亀裂状~小区画状の痂状でプルビン酸誘導体を含まず、子嚢が狭棍棒形からほぼ管状、子嚢胞子が大型の長楕円形で厚壁であることなどで特徴づけられた。
本種は分子系統解析でコガネゴケ科クレードに含まれ、他属とは子嚢や子嚢胞子の形態などが異なっていた。
長野県南佐久郡川上村秩父多摩甲斐国立公園千曲川沿い

(新種)

Galbinothrix caesiopruinosa Frisch, G. Thor, K. H. Moon & Y. Ohmura
語源…(属名)帯緑黄色のChrysothrix属/(種小名)帯青灰色の粉霜の
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【よく似た種との区別】
Chrysothrix caesia
地衣体が帯黄オリーブ色~帯灰緑色
子器が暗褐色
子器に帯青灰色の薄い粉霜を伴う
子実上層に帯赤褐色の色素を含む
果殻に帯赤褐色の色素を含む
主な地衣成分としてウスニン酸を含む
地衣成分としてプルビン酸誘導体を欠く
mtSSU+RPB2+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じコガネゴケ科クレードに含まれる)
本種と異なり日本および韓国ではなく米国などに分布する
本種より子嚢胞子のサイズがずっと小さい
本種より子嚢のサイズが小さい
本種と異なり子嚢が狭棍棒形~ほぼ管状という特徴を欠く
本種と異なり子嚢胞子が長楕円形でない
本種と異なり子嚢胞子が薄壁
本種と異なり子嚢胞子に顕著なエピスポアを有するという特徴を欠く
mtSSU+RPB2+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Melarthonis piceae
日本に分布する
mtSSU+RPB2+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じコガネゴケ科クレードに含まれる)
本種と異なり地衣体が帯緑色
本種と異なり地衣体が微細な小粒状
本種と異なり子器が黒色
本種と異なり子器が強い凸形
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり子嚢胞子が長楕円形ではなく狭倒卵状~紡錘形
本種と異なり果殻の菌糸がいくぶん垂層状
本種と異なり果殻の菌糸が暗褐色
mtSSU+RPB2+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Arthonia mediella
mtSSU+RPB2+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じコガネゴケ科クレードに含まれる)
本種と異なり日本および韓国ではなくスウェーデンなどに分布する
本種と異なり子器が黒色
本種と異なり子器が強い凸形
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり子嚢胞子が長楕円形ではなく狭倒卵状~紡錘形
本種と異なり子嚢間菌糸の先端が頭状
本種と異なり子嚢間菌糸に顕著な暗褐色の帽を伴う
mtSSU+RPB2+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される