2021年6月13日 (仮訳)中欧産のツチグリ類の新種、Geastrum dolomiticum Finy, P. et al., 2021. Geastrum dolomiticum, a new earthstar species from Central Europe. Plant Systematics and Evolution. Available at: https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00606-021-01766-z [Accessed June 13, 2021] 【R3-08501】2021/6/13投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ ハンガリー産のGeastrum minimumと同定された標本の再検討で見出された菌をG. dolomiticumとして新種記載した。 本種は”endoperidial body”の結晶がG. minimumやG. marginatumとは異なっていた。 複数遺伝子に基づく分子系統解析では、本種が広義のG. granulosumに近縁かつ異なる系統を形成することが示された。 Hungary, Fejér County, near Csór (新種) Geastrum dolomiticum Finy, Dima & V. Papp 語源…苦灰石の 【よく似た種との区別】 Geastrum minimum(スナジヒメツチグリ) 形態的に類似している(当初この種に同定されていた) Geastrum granulosum ハンガリーに分布する 草地に生息する 肉眼的形態が類似している 孔縁盤の境界が顕著である 孔縁盤が繊維状 アポフィシスが顕著である 柄が類白色~クリーム色 ITS+nrLSU+rpb1+atp6+tef1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりスロバキア、ロシア、スペイン、スウェーデンにおける分布が知られている 本種と異なり苦灰石の岩場の草地ではなく様々な乾燥した草地に生じる 本種より”endoperidial body”の直径が大きい 本種より外皮の直径が大きい 本種と異なり外皮の裂片の数が6-12ではなく6-11 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子がとさか状の孤立あるいは融合する疣状ではなく疣状~不規則な毛状 本種より弾糸の幅が広い 本種より偽柔組織層の細胞壁が薄い 本種より”mesoperidium”結晶の直径が大きい 本種と異なり”mesoperidium”に不規則形または薄片状の凝集した蓚酸カルシウム一水和物結晶ではなく双角錐形の蓚酸カルシウム二水和物の結晶を含む ITS+nrLSU+rpb1+atp6+tef1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Geastrum marginatum ハンガリーに分布する 草地に生息する “endoperidial body”の直径の範囲が重なる 孔縁盤の境界が顕著である 孔縁盤が繊維状 アポフィシスがいくぶん顕著である 担子胞子のサイズの範囲が重なる “mesoperidium”結晶の直径の範囲が重なる 弾糸の幅の範囲が重なる ITS+nrLSU+rpb1+atp6+tef1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりスペイン、スウェーデン、米国、チェコにおける分布が知られている 本種と異なり苦灰石の岩場の草地ではなく酸性の砂質の草地に生じる 本種より外皮の直径が大きい 本種と異なり外皮の裂片の数が6-12ではなく6-9 本種と異なり柄が類白色~クリーム色ではなく帯褐色で基部がクリーム色 本種と異なり担子胞子がとさか状の孤立あるいは融合する疣状ではなく疣状~不規則な毛状 本種より偽柔組織層の細胞壁が薄い 本種と異なり”mesoperidium”に不規則形または薄片状の凝集した蓚酸カルシウム一水和物結晶ではなく双角錐形の蓚酸カルシウム二水和物の結晶を含む ITS+nrLSU+rpb1+atp6+tef1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Geastrum austrominimum 草地に生息する 孔縁盤の境界が顕著である 孔縁盤が繊維状 ITS+nrLSU+rpb1+atp6+tef1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりハンガリーではなくオーストラリアなどに分布する 本種と異なり苦灰石の岩場の草地ではなく草地、サバンナ、低木林、森林などに生じる 本種より”endoperidial body”の直径が大きい 本種より外皮の直径が大きい 本種と異なり外皮の裂片の数が6-12ではなく6-11(-13)×本種と異なりアポフィシスを欠くことがある 本種と異なり柄が類白色~クリーム色ではなく帯褐色 本種より担子胞子の最大直径が大きい 本種と異なり担子胞子がとさか状の孤立あるいは融合する疣状ではなく疣状~不規則な毛状 本種より弾糸の幅が広い 本種より偽柔組織層の細胞壁が薄い 本種より”mesoperidium”結晶の直径が大きい 本種と異なり”mesoperidium”に不規則形または薄片状の凝集した蓚酸カルシウム一水和物結晶ではなく丸いか双角錐形の蓚酸カルシウム二水和物の結晶を含む ITS+nrLSU+rpb1+atp6+tef1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される