(仮訳)テングノメシガイ綱における属の限界
Hustad, VP., et al., 2013. Generic circumscriptions in Geoglossomycetes. Persoonia. Available at: http://www.ingentaconnect.com/content/nhn/pimj/2013/00000031/00000001/art00006 [Accessed April 22, 2014].
【R3-00634】2014/04/22投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

テングノメシガイ綱の分類においては、信頼できる形態形質の欠如、生態の不確かさ、培養できないことなどが問題となってきた。
本研究では、4遺伝子に基づく分子系統解析で綱内の系統関係を調査し、従来の属の分類に一致しない、5つのよく支持されるクレードの存在を明らかにした。
分子系統解析の結果からGlutinoglossumおよびSabuloglossumの2属を提唱し、前者に新種G. heptaseptatumを含めた。
Czech Republic, Hradec Králové, Betlem

(新種)

Glutinoglossum heptaseptatum Hustad, A.N. Mill., Dentinger & P.F. Cannon
語源…粘る舌/7つの隔壁の(子嚢胞子の形態から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Glutinoglossum glutinosum(ナナフシテングノハナヤスリ)
肉眼的に区別できないほど類似している
子実体に顕著な粘性を持つ
子嚢胞子に遅れて隔壁が生じる
ITS+LSU+MCM7+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種より子嚢の幅が狭い
本種と異なり子嚢胞子の隔壁が主に7隔壁ではなく通常3または5隔壁
ITS+LSU+MCM7+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(塩基配列に8-10%の違いがある)
Geoglossum affine
子嚢胞子の隔壁が主に7隔壁
本種と異なり北米のみから知られている
本種より子嚢胞子のサイズが小さい

(新組み合わせ)

Glutinoglossum glutinosum (Pers.) Hustad, A.N. Mill., Dentinger & P.F. Cannon
ナナフシテングノハナヤスリ
旧名:Geoglossum glutinosum Pers.
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Glutinoglossum heptaseptatum
肉眼的に区別できないほど類似している
子実体に顕著な粘性を持つ
子嚢胞子に遅れて隔壁が生じる
ITS+LSU+MCM7+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種より子嚢の幅が広い
本種と異なり子嚢胞子の隔壁が通常3または5隔壁ではなく主に7隔壁
ITS+LSU+MCM7+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(塩基配列に8-10%の違いがある)

(新組み合わせ)

Sabuloglossum arenarium (Rostr.) Hustad, A.N. Mill., Dentinger & P.F. Cannon
旧名:Geoglossum arenarium (Rostr.) Lloyd、Thuemenidium arenarium (Rostr.) Korf
(基礎異名はMicroglossum arenarium Rostr.)
Leptoglossum latumを本種のシノニムとするDurand (1908) の意見を支持した。
※子嚢胞子が有色か無色かの違いしか見られないCorynetes geoglossoidesを、分子データなしでは別種として認められないとした。
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Thuemenidium atropurpureum
形態的に類似している(かつて誤ってシノニムの関係とされたことがあった)
子嚢胞子が無色
子嚢胞子に遅れて隔壁が生じる
本種と異なり砂地や川辺の砂利ではなく腐植や草地の土壌に発生する
本種と異なり子実体が新鮮時黒色ではなく顕著な紫色を帯びる
ITS+LSU+MCM7+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される