(仮訳)中国で発見された毒きのこの新種、Gyromitra venenata
Li, H-J. et al., 2020. Gyromitra venenata, a new poisonous species discovered from China. Mycosystema. Available at: http://manu40.magtech.com.cn/Jwxb/article/2020/1672-6472/1672-6472-39-9-1706.shtml [Accessed December 10, 2020] 【R3-07945】2020/12/10投稿

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3行まとめ

中国貴州省および雲南省において中毒事故を起こしたきのこを検討し、Gyromitra venenataとして新種記載した。
本種はG. esculentaに形態的に非常に類似していたが、托外被層が柵状細胞からなることなどで特徴づけられた。
G. esculentaのフランス産標本をエピタイプ標本として選定した。
中国湖南省株洲市炎陵県酃峰自然保護区

(新種)

Gyromitra venenata Hai J. Li, Z.H. Chen & Zhu L. Yang
語源…有毒の
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【よく似た種との区別】
Gyromitra esculenta(シャグマアミガサタケ)
形態的に非常に類似している(この種に同定されていた)
毒きのこである
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりカナダ、米国、トルコ、イギリス、フランスなどにおける分布が知られている
本種と異なり広葉樹林ではなく針葉樹林に発生する
本種より柄が短い
本種と異なり托外被層が良好に分化した柵状細胞ではなく単層からなる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Gyromitra infula(トビイロノボリリュウ)
本種と異なり傘が鞍形で2つの顕著な裂片がある
本種より子嚢胞子の幅が顕著に狭い
Gyromitra tianshanensis
中国に分布する
傘が脳状
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり主に腐朽材上に生じる
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Gyromitra xinjiangensis
中国に分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より高標高に分布する
本種と異なり広葉樹林ではなく針葉樹林に発生する
本種より子嚢胞子の幅が狭い
本種と異なり子嚢胞子表面が疣状
本種と異なり側糸頂端が鉤形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Gyromitra ambigua
子嚢胞子表面が平滑~微疣状
子嚢胞子に2つの油滴を含む
本種と異なり傘が脳状ではなく鞍形
本種と異なり子嚢胞子が紡錘形~長楕円形で両端が明瞭な丸い尖形
Gyromitra lactea
中国に分布する
本種と異なり子嚢盤が脳状ではなく盤状
本種と異なり子嚢盤がクリーム色
本種と異なり腐朽材上に生じる
本種と異なり子嚢胞子にほとんどの場合1つ、稀に2つの油滴を含む
Gyromitra pseudogigas
中国に分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子嚢盤が脳状ではなく鞍形
本種と異なり子嚢胞子の両端が顕著な尖形
本種と異なり子嚢胞子に1または3つの油滴を含む
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Gyromitra sichuanensis
本種と異なり広葉樹林ではなく針葉樹林に発生する
本種と異なり子嚢胞子表面が疣状
本種と異なり側糸頂端が鉤形
Gyromitra discinoides(オオカサノボリリュウ)
東アジアに分布する
本種と異なり中国ではなく日本などに分布する
本種と異なり傘が肉桂色~暗褐色
本種と異なり柄に深い溝を生じる
本種より子嚢胞子の幅が広い
Gyromitra longipes
傘が脳状
柄が傘に比して長い
本種と異なり中国ではなく北欧などに分布する
本種より子嚢の幅が広い
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
本種と異なり子嚢胞子の両端が丸い尖形
Gyromitra brunnea
傘の色がいくぶん類似している
本種と異なり中国ではなく北米などに分布する
本種と異なり傘が脳状ではなく鞍形
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
本種と異なり子嚢胞子表面が顕著な疣状
本種と異なり子嚢胞子の両端が尖形
France

(その他掲載種)

Gyromitra esculenta (Pers.) Fr.
シャグマアミガサタケ
※本種のエピタイプ標本を指定した。
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【よく似た種との区別】
Gyromitra venenata
形態的に非常に類似している(本種に同定されていた)
毒きのこである
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりカナダ、米国、トルコ、イギリス、フランスなどにおける分布が知られていない
本種と異なり針葉樹林ではなく広葉樹林に発生する
本種より柄が長い
本種と異なり托外被層が単層ではなく良好に分化した柵状細胞からなる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される