(仮訳)メキシコ中部のAbies religiosa林に産した文化的に重要なH. lacunosa複合種の新種、Helvella jocatoi
Landerosa, F. et al., 2021. Helvella jocatoi sp. nov. (Pezizales, Ascomycota), a new species from H. lacunosa complex with cultural importance in central Mexico Abies religiosa forests. Phytotaxa. Available at: https://www.mapress.com/j/pt/article/viewFile/phytotaxa.498.1.1/43684 [Accessed May 13, 2021] 【R3-08407】2021/5/13投稿

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3行まとめ

メキシコの火山地帯のモミ林において地上またはコケ上に発生していた菌を検討し、Helvella jocatoiとして新種記載した。
本種は広義のH. lacunosaと同定されており、分子系統解析ではその複合種の北米クレードに位置づけられた。
本種はメキシコ中部では”gachupin”の名称で知られており、名前のない2種とともに食用として大量に販売されていた。
Mexico, Estado de México, Amanalco, Corral de piedra

(新種)

Helvella jocatoi F. Landeros, R. Garibay-Orijel & L. Guz.-Dáv.
語源…メキシコの菌学者、故José Castillo Tovar氏の姓名の最初の2文字ずつをとったアクロニムより
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Helvella lacunosa(クロノボリリュウ)
子嚢盤のサイズの範囲が重なる
ITS+nrLSU、ITS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりメキシコ中部ではなくノルウェー、モンテネグロ、スウェーデンなどに分布する
本種と異なり生息環境がモミ林ではなくDryas属、亜高山カバノキ林、カラマツ林
本種と異なり発生時期が8-12月ではなく7-10月
本種と異なり子嚢盤の色が帯灰黒色~黒色ではなく黒色
本種より柄の最大サイズが大きい
本種と異なり柄の色が初め類白色、成熟すると黒色ではなく類白色~帯灰色
本種より子嚢胞子の幅が狭い
ITS+nrLSU、ITS、nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Helvella pseudolacunosa
子嚢胞子のサイズが異なる
ITS+nrLSU、ITS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりメキシコ中部ではなく中国に分布する
本種と異なり生息環境がモミ林ではなくカラマツ林、マツ林
本種と異なり発生時期が8-12月ではなく8月ごろ
本種より子嚢盤のサイズが小さい
本種と異なり子嚢盤の色が帯灰黒色~黒色ではなく灰色~暗灰色
本種より柄のサイズが小さい
本種と異なり柄の色が初め類白色、成熟すると黒色ではなく幼時灰白色、成熟すると灰色
ITS+nrLSU、ITS、nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Helvella rugosa
ITS+nrLSU、ITS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりメキシコ中部ではなく中国に分布する
本種と異なり生息環境がモミ林ではなく落葉オーク林
本種と異なり発生時期が8-12月ではなく8月ごろ
本種より子実体のサイズが小さい
本種より子嚢盤のサイズが小さい
本種と異なり子嚢盤の色が帯灰黒色~黒色ではなく淡灰色~暗灰色または帯灰褐色
本種より柄のサイズが小さい
本種と異なり柄の色が初め類白色、成熟すると黒色ではなく幼時帯灰褐色、乾燥時黒色
本種と異なり柄表面が畝状に裂けるという特徴を欠く
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
ITS+nrLSU、ITS、nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Helvella dryophila
北米に分布する
ITS+nrLSU、ITS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりメキシコ中部ではなく北米西部に分布する
本種と異なり生息環境がモミ林ではなく混交オーク林
本種と異なり発生時期が8-12月ではなく12月中旬~5月末
本種より子嚢盤のサイズが小さい
本種と異なり子嚢盤の色が帯灰黒色~黒色ではなく暗灰黒色で稀に淡灰色
本種より柄のサイズが小さい
本種と異なり柄の色が初め類白色、成熟すると黒色ではなく幼時類白色、成熟すると灰色
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
ITS+nrLSU、ITS、nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Helvella vespertina
北米に分布する
モミ林に発生する(可能性がある)
子嚢盤のサイズの範囲が重なる
子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
ITS+nrLSU、ITS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりメキシコ中部ではなく米国西部に分布する
本種と異なりマツ属、トガサワラ属の林などに生息する
本種と異なり発生時期が8-12月ではなく10-3月(稀に4月)
本種と異なり子嚢盤の色が帯灰黒色~黒色ではなく淡灰色~暗灰色
本種より柄の最大サイズが大きい
本種と異なり柄の色が初め類白色、成熟すると黒色ではなく白色で成熟すると灰色になる
ITS+nrLSU、ITS、nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Helvella sulcata
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりメキシコ中部ではなくノルウェーなどに分布する
本種と異なりモミ属植物と関係を持つという特徴を欠く
本種より子嚢果のサイズが小さい
本種より柄が明色
本種と異なり柄表面が畝状に裂けるという特徴を欠く
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される