2019年5月9日 (仮訳)中国産Ganoderma sinenseの高度な表現型可塑性 Hapuarachchi, KK. et al., 2019. High phenotypic plasticity of Ganoderma sinense (Ganodermataceae, Polyporales) in China. Asian Journal of Mycology. Available at: http://asianjournalofmycology.org/pdf/AJOM_2_1_1.pdf [Accessed May 9, 2019] 【R3-06201】2019/5/9投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 中国産のGanoderma sinense20標本について形態学的検討および分子系統解析を実施し、環境要因によって高度な表現型の可塑性が生じることを示した。 肉眼的形態は非常に変異が大きかった一方、担子胞子のサイズ、形状、菌糸構成などの顕微鏡的形態はほとんど有意差を示さなかった。 本種およびG. japonicumは形態に基づき別種とされるものの、分子系統解析ではともに単系統群を形成し区別されなかったが、これは誤同定によるものと考えられた。 (その他掲載種) Ganoderma sinense J.D. Zhao, L.W. Hsu & X.Q. Zhang 【よく似た種との区別】 Ganoderma lucidum 形態的に類似している(従来同種と考えられてきた) ITS+nrLSU+nrSSU+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種より柄が長い 本種より柄の形状が細長い 本種より肉が薄い 本種と異なり骨格菌糸が稀にしか分枝しない 本種と異なり結合菌糸がbovista型 本種と酸素化ラノスタン型トリテルペノイド類が異なる ITS+nrLSU+nrSSU+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ganoderma japonicum 形態的に類似している(従来同種と考えられてきた) 本種と異なり傘が帯紫黒色~黒色ではなく幼時黄色、成熟すると赤褐色またはさび褐色 本種と異なり肉が褐色ではなく類白色 Ganoderma orbiforme 亜熱帯~熱帯に分布する 傘が帯紫黒色~黒色 傘表面にニス様光沢がある 柄が”dorsally lateral”または側生する 肉が一様に褐色または類白色の条線またはパッチが表皮層周辺に見られることもある ITS+nrLSU+nrSSU+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり柄が直立するという特徴を欠く 本種と異なり担子胞子が卵状でない 本種と異なり担子胞子の装飾が僅かで長く太い小刺状という特徴を欠く 本種と異なり表皮層が棍棒形の細胞からなるという特徴を欠く ITS+nrLSU+nrSSU+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される